「生き物」から「ショー」へ、変わるライブのあり方
また、こういった“過剰演出”には別の側面もある。ずばりチケット代の高騰だ。
「様々な要素を盛り込めば、当然チケット代は上がります。例えば同期型リストバンドで言うと、制御システムの構築費やテスト費用、製品そのものの価格、梱包や説明書の準備、回収ほか、もろもろ合わせて1000円は上乗せされることになります。加えて人件費の高騰、原材料価格の高騰、海外アーティストが相手なら円安など、チケット代が上がる要因は複合的で、もはや“天井知らず”になっています。
演出が増えること自体はファンサービスなので、否定されるべきものではありませんが、何度も足を運びたいファンや、演出よりも演奏をじっくり楽しみたいファンもいるでしょう。かつては“ライブは生き物”という価値観がありましたが、徐々に“より完成されたショーを見せる”ということにアーティストがシフトしていると言えそうです」(同前)
非日常感を味わえるという点では派手な演出は“進化”だが、アーティストの生の姿を見たいというのもファンの偽らざる本音。その配分を見極めることが、ファンの心を繋ぎ止めるカギになるのかもしれない。