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川辺謙一 鉄道の科学

日本の鉄道だけを見ていてはわからない「世界の鉄道」のおもしろさ SNS、博物館、国際展示会で見えてくる最新潮流

2015年に東京で開催された第9回UIC世界高速鉄道会議のセレモニー会場。世界の鉄道関係者が一同に会した。会場は日本だが、講演は基本的に英語。現地にて筆者撮影

2015年に東京で開催された第9回UIC世界高速鉄道会議のセレモニー会場。世界の鉄道関係者が一同に会した。会場は日本だが、講演は基本的に英語。現地にて筆者撮影

国際的な会議や展示会に行く

 最後に、「世界の鉄道の今」を知る最適な方法をお伝えします。それは、鉄道に関する国際的な会議や展示会に行くことです。海外の人から直接話を聞き、実物を見る。それを実際にすると、鉄道を通して見える世界が大きく変わります。

 世界の国や地域は、それぞれ鉄道に関して課題を抱えています。このため、先述した会議や展示会は、世界の鉄道関係者がそれを互いに共有し、解決につながる糸口を探る貴重な機会なのです。また、遠く離れた国や地域の人と対面で話し、親睦を深める場でもあります。

 日本のマスメディアは、こうした会議や展示会を「日本の鉄道を売り込むチャンス」と報じる傾向があります。しかし、実際に行くとかならずしもそうではなく、日本の鉄道関係者が世界の鉄道市場の潮流にうまく乗ることが試されていることがわかります。

 それでは、世界の鉄道市場の潮流の中心はどこにあるのでしょうか? その答えは、ヨーロッパでしょう。国際鉄道連合(UIC)の本部は、フランスの首都・パリにあります。世界最大規模の鉄道展示会である国際鉄道技術専門見本市(InnoTrans=イノトランス)は、ドイツの首都・ベルリンで隔年開催されています。ヨーロッパが鉄道の共通の基準・ルールとして決めた欧州規格は、事実上の国際規格になっています。
 
 このため、ヨーロッパを中心とした鉄道市場の潮流を知ることが、世界の鉄道の今を知ることにつながると私は考えます。

 以上紹介した方法で、世界の鉄道を知ると、鉄道の見方が大きく変わります。ぜひできるものから試してみてください。

2016年にベルリンで開催された国際会議。世界各国の鉄道関係者が課題を共有し、その解決策を語り合った。イノトランス会場にて筆者撮影。

2016年にベルリンで開催された国際会議。世界各国の鉄道関係者が課題を共有し、その解決策を語り合った。イノトランス会場にて筆者撮影。

【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術解説者。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務をへて独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。

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