投資にかかわるトラブルには注意したい
「出金できない暗号資産を取り戻せるかもしれない」――そんな思いで相談先を探した40代男性は、紹介されたNFT(非代替性トークン)で一度は利益を得たように見えた。しかし、その成功体験を足がかりに高額なNFTや、「AI関連で値上がり必至」とされた仮想通貨への投資を勧められ、計500万円以上を投じることになった。困りごとの解決を装い、新たな投資へ誘導する「レスキュー投資商法」ともいえる手口を、詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストの多田文明氏が解説する。
「損失分を取り戻すため」とNFT投資を勧められる
40代男性の城田さん(仮名)は、相手の困った状況につけこんで別の投資商品を売りつけるという手口にハマって、500万円以上の被害に遭いました。近年増加しているこういった被害は「レスキュー投資商法」と呼んでよいものだと言えます。城田さんの状況を解説していきます。
きっかけは、3年ほど前にネットで「仮想通貨・暗号資産に関するトラブルを解決する」という広告を見たことでした。ネットの誘導に従ってLINEでA社の担当者とつながります。
城田さんは、コロナ禍にSNSで知り合った人から紹介された、ある投資サイトで50万円分の仮想通貨に投資したものの、そのお金が引き出せずに困っていました。それを取り戻せないかを相談してみます。
この種のSNS型投資詐欺は、多くは海外の犯罪グループによる犯行ですので、お金を取り戻すのが極めて難しい状況です。A社の担当者からも「返金は難しい」と言われます。しかし担当者は「損失分を取り戻すために、NFTの投資をしてみませんか」と提案してきます。
城田さんは、半信半疑でしたが「少しでも損失を取り戻せれば」との思いから、指示された「犬のデジタルアート」を25万円分のイーサリアムで購入します。3か月後、そのデジタルアートは75万円で売れました。
この時、城田さんは「本当に損失を取り戻すべく、儲かる方法を教えてくれる。すごい」と思ってしまったと言います。
