なぜ焼香を行うのか?
そもそもなぜ、焼香という一見面倒な作法を行うのでしょうか? 公益財団法人全日本仏教会のサイトにはこのように解説されています。
〈焼香は、仏教儀式において、精神と身体を清浄にするための象徴的作法です。お香の燃焼は、自己中心性やエゴが昇華して、自らが他者とともにある一人となることを表しています。〉
この説明だとよく分からないかもしれません。宗教儀式ゆえ色々な考え方があるのですが、私は「見えないものを見えるようにする」ためだと考えています。
見えないものとは、愛する人を失った悲しみ、亡くなった人に対する愛情、安らかに旅立って欲しいという願い、よい人生であったと信じる気持ちなどです。これらはふつう目に見えません。焼香は、これらの目に見えないものを「人々が集う」「香を焚く」「頭を下げる」「手を合わせる」という作法を通じて目に見える形にします。そうすることで自分の気持ちを亡くなった人や周りの人に伝えます。
社会生活を営む人間には、相手を理解し自分を理解してもらうために、伝えたいという欲求があります。だから、焼香を行うのだと思います。
もし、個々人のやり方で、好きなように気持ちを表現してくださいと言われても、大切な人を失った状況では「どうしていいかわからない」という人がほとんどでしょう。だから一見面倒に見える「焼香作法」という型が存在することで救われるのだと思います。それだけに焼香を美しく行うことは、自分の弔意を周囲に伝えるうえでも大切です。
後編では「なぜ焼香が難しいのか」「佐々木さんが焼香を美しく見せるにはどうすればよかったのか」についてくわしく解説します。
▼▼▼後編記事▼▼▼
【つづきを読む→】意外と困るバッグの扱いは? “焼香を美しく見せる”2つのポイント
【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
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