美しい所作の2つのポイントとは(イメージ)
お葬式の焼香で、宗派による違いや数珠の持ち方など、細かい作法を気にする人は多い。しかし実際の葬儀の現場では、もっと大切なことがあるという。焼香にまつわる誤解と、落ち着いて美しく見える所作のポイントについて、葬儀業界歴約30年、1級葬祭ディレクターの赤城啓昭氏がくわしく解説する。【前後編の後編】
細かすぎる焼香マナーに振り回されない
焼香を難しく感じる原因のひとつに、細かい作法まで「絶対に守るべきマナー」のように語られがちなことがあります。これらを真に受けて、焼香の細部を気にしすぎることで「故人を弔う」という本来の目的を見失ってしまっては本末転倒です。
以下の、よく言われている焼香マナーに関して、できる人は行えばいいのですが、できなくても気にする必要はないと考えています。
一部のマナー本には「抹香(まっこう)は親指・人差し指・中指の三本の指でつまむ」という解説が載っていますが、つまむ指の本数まで気にしなくてもいいでしょう。また抹香をつまんだ後、浄土真宗以外の宗派は額におしいただく、つまり額の近くまで抹香を近づけると言われることがありますが、これも気にしなくてよいです。また数珠の持ち方も宗派によって違うという人もいますが、基本的には左手に通して持っていればよいです。
前編で解説した宗派別の焼香の回数も、神経質になる必要はありません。なぜなら故人の宗派の回数に合わせるという説と、自分の宗派の回数でやるという2つの説があるからです。自分の宗派を周りの人は知らないでしょうから、何回焼香をしたところで間違いだと言われることはありません。
私は僧侶と葬儀の打ち合わせをした際「(その宗派の焼香は本来3回だが)今日は参列者が多いから、『焼香は1回でいい』ってアナウンスしてよ」と言われたことが度々ありました。一般の方が気にするほど、葬儀の現場では焼香の回数を気にしていないのです。
