「ワニの口が開く」背景とは(写真:イメージマート)
バブルと叫ばれる不動産市場に変化が生じている。中古マンション市場では、売主が希望する価格と、実際に売買が成立する価格との差が広がっているというのだ。業界で「ワニの口」と呼ばれる現象の背景には何があるのか。今後の不動産市場にどのような影響を与えるのか。エリアごとの明暗を探っていく。
不動産コンサルタントで、さくら事務所代表取締役社長の山本直彌氏は、足元の不動産市況を「ワニの口」という言葉で説明する。
「不動産業界ではよく『ワニの口が開く』と表現するのですが、これは市場に出ている『売り出し価格』と、実際に売買が成立した『成約価格』の差がどんどん広がっている状態を指します。
数年前まで、売り出し価格は成約価格より10%程度高いのが一般的でした。しかし、過去1~2年で物件価格が異次元レベルで高騰したため、売主側が『もっと高く売れるはずだ』と期待して、かなり強気な値段をつけるようになりました」
売主と買主の希望価格の差は首都圏で30%に
山本氏は、買主側の状況についてこう続ける。
「買主側は、物件価格の上昇に加えて金利上昇などの影響を受け、ローンを組んで月々に支払える予算の限界を迎えています。結果として、売り出し価格と成約価格の差は首都圏では30%ほどにまで開いてしまいました。高く売りたい売主と、高すぎて買えない買主の思惑が完全にすれ違っているわけです。
