収入があっても「見せびらかす消費」に関心がない
都内の外資系ITコンサルで働く男性・Cさん(29歳)は、同業者の妻がいる。世帯年収は1400万円ほどあり、職場の最寄駅で家賃30万円ほどの賃貸マンションに住んでいるという。
賃貸にしては高額な物件だが、当面は住宅を購入する気はなく、車も持たないと決めているそうだ。それなりの収入があるのになぜか。
「マイホームも車も、持っていたら安心とか一人前という感覚が昔はあったと思います。でも今は、ローンや維持費のほうが重く感じます。家を買うと住む場所が固定されるし、車も駐車場代や保険、車検を考えると、都内ではかなりコスパが悪いと感じます。40代の独身の上司は、高級外車に乗って、豊洲のタワマンに住んで、高額な腕時計をつけていますが、そのライフスタイルに憧れないんですよね」(Cさん)
Cさん夫婦は、「見せびらかす消費」に、そもそも関心がないと語る。
「高額なものを身に付けたいという気持ちもないですね。それから、たとえば郊外に持ち家を買って車を持つよりも、職場に近い場所で身軽に暮らすほうが自分たちには合っていると判断しました。賃貸でそこまで広くないですし、家賃は高いですが、利便性と治安を買っていると思って満足しています。
いま、妊活中で不妊治療も視野に入れているんですよ。子どもができたら考え方も変わるでしょうし、将来どうなるか見通しが立たないからこそ、身動きが取れる状態でいたいんです。今は2人でたまにグランピングに行ったり、今年は休みを使って夫婦でフジロックに行きました(笑)。そういう時間の方が重要ですね」(同前)
結婚式や指輪、マイホームを大切にする人もいる。ただ、誰もが同じ節目に同じようにお金を使う時代ではなくなった。“一生に一度”の大きな消費より、今日と明日を少し楽しくする消費へと、価値観は変わり始めているのかもしれない。