職場でもそういう人はいる。大手メーカーで働くKさん(20代/男性)はこう話す。
「別にサボっているわけでも、仕事が人より遅いわけでもなく、どちらかと言えば真面目なタイプだと思うのですが、何かにつけて上司から厳しく言われるのはいつも自分。トラブルが起きれば、本来の担当者よりも先に呼ばれ、取引先からクレームが入れば対応させられる。会議で問題点を指摘されるのも私です。上司からは『怒られているうちが花、期待しなくなったら何も言わなくなるから』なんて言われますが、便利に使われているだけのような気はしています」
居酒屋でアルバイト中のAさん(20代/女性)も「私ばっかり怒られる」と不満を口にする。
「他のアルバイトも同じようなものなのに、店長は私にばかり声が小さいとか、早く片付けろとか、怒るんですよね。他のバイトの人たちは男子とか、30代とかで、私がいちばん言いやすいのかもしれませんが、一度『あの人だってそうだ』的な反論をしたら、『まずは自分のことをちゃんとやれ』と言われてしまいました」
きちんと受け止めるリーダー気質がある子が選ばれやすい
では、指導する側はどう考えているのか。都内の私立高校で40年以上教壇に立つとともに、山岳部の顧問として生徒と野山を巡ったKさん(70代/男性)は、「私のやり方は、今では“アウト”でしょうね」と自戒の念を込めてこう語る。
「誤解を生みそうな表現かもしれませんが、怒られ役、注意され役の生徒がいたのは事実です。特に私がいた山岳部の山行では、気の緩みが大ケガに繋がることもある。時には厳しい言葉を飛ばしますが、言う相手は選んでいました。反発したりすぐシュンとしてしまう子ではなく、きちんと受け止めるリーダー気質があるような子です。それが、結果的に“怒られ代表”のようになってしまう。僕はずいぶん嫌われていたと思います」