区分所有法は「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めています(6条1項)。管理会社の注意を無視して自転車を廊下に置いている住人はこの法に違反しています。その場合、「他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる」ので(57条1項)、自転車の撤去を要求できます。
そして請求しても受け入れない場合は、区分所有者の集会(管理組合の総会)で、頭数と床面積で決まる議決権の過半数の同意を得て、請求実現のため裁判提起もできます。請求を受けて一旦は改善しても廊下への自転車の駐輪を繰り返す恐れがあれば、予防として、駐輪しないことも請求できます。
住人の違反がひどいときは、区分所有者の集会で違反者の弁明を聞いたうえで、前記の議決権の各4分の3以上の特別決議で、一時的な使用禁止やほかの方法で解決困難なときは、その住人の区分所有権を第三者に売ってしまう競売を裁判所に申し立てることも可能です。
これらは管理組合マターです。管理会社が注意しても効力がなければ、管理組合に解決策の相談をするのがよいと思います。まず管理組合の理事などに現状を見せて管理組合から注意してもらい、効果がないときは法的手続きに踏み切る、というステップを踏むよう求めてはいかがでしょうか。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。