業績予想の上方修正で株価が急騰したフジクラ(時事通信フォト)
半導体関連銘柄として熱い視線が注がれる電線大手フジクラの株価が乱高下している。5月の決算発表時の業績通期予想が市場のコンセンサスとかけ離れていたことで株価が一気に急落。そのわずか1か月後の予想「上方修正」により、同社の株価は一転、ストップ高となった。足もとでは5月の高値(7933円)には遠く及ばない5300円台で低迷するが、現状をどう判断すればいいのか。投資情報会社・フィスコ(アナリスト・中村孝也氏)が分析する。
利益の大半をAIデータセンター向け「光ファイバー関連事業」が牽引
フジクラ(東証プライム・5803)は、「情報通信事業部門」(光ファイバーケーブルや光ファイバー融着接続機など、光配線ソリューションを展開する)、「エレクトロニクス事業部門」(コネクタや電子部品を製造する)、「自動車事業部門」(ワイヤハーネス等の自動車電装品を手掛ける)、「エネルギー事業部門」(電力ケーブル等のエネルギー関連製品を扱う)、「不動産事業部門」(不動産賃貸・管理を行う)の5つを開示セグメントとする総合電線・電機メーカーです。
2026年3月期は情報通信事業部門が営業利益1527億円となり、全社利益(合計1887億円)の大半を牽引しています。生成AIの普及で大量の計算資源を要するAI専用データセンターの建設が世界的に急増しており、電力・冷却・通信インフラへの投資が増大、当該需要を取り込む形で光ファイバー関連事業が同社の中核収益源です。
フジクラの光ファイバーは、多心化・細径化・小型化という市場ニーズに応える光配線ソリューションに強みを持っています。特に独自技術により、データセンター等での高密度実装を実現している点が差別化要因。また、光ファイバー融着接続機や特殊ファイバーなど周辺技術も幅広く自社で保有し、トータルソリューションとして提供できる点も特徴といえます。
業績予想への「失望」と上方修正の「サプライズ」で株価が乱高下
足もとの株価は、5月に7933円を付け、7月に3665円の安値となり、その後5000円台で推移するなど、ボラタイルな動きとなっています。5月14日と19日に発表された2027年3月期予想および中期経営計画への失望、その直後の早々の上方修正(6月18日と8月7日)へのサプライズが株価の乱高下に拍車をかけた感があります。
