森本レオさんが語っていた理想の最期とは
俳優、ナレーターとして数多の作品に出演してきた森本レオさんが、9月4日に死去した。83歳だった。本誌・週刊ポストでは、森本さんが亡くなる直前に「人生最後の生き方」をテーマにインタビューしていた(9月14日発売号に掲載)。独特の“癒しボイス”で視聴者を虜にしてきた彼も、ここ数年は表舞台から遠ざかっていた。妻は名古屋、自身は東京・高円寺と別居婚を続けていた森本さんが最後に語った、心筋梗塞で倒れて以後の生活の変化や、理想の死に方とは──。
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なるべくお金を使わずに…
2010年に心筋梗塞で倒れてからは、きつい仕事は一切できなくなりました。2年前にも病気で寝込んでしまい、最近は声の仕事だけ、だましだましやっています。『Qさま!!』(テレビ朝日系)のナレーションは、仲のいい人に「短い仕事だから」と頼まれて、散歩がてらちょっとやっている感じ。本当は自分なんかいなくてもいいのに、ありがたい話です。おかげで老け込まずにすんでいます。
僕は怠け者だから、同年代でバリバリ働いている役者さんたちは、みんな偉いと思う。妻はずっと名古屋で暮らしているので、長く別居生活が続いています。でも、家計の管理は妻や娘がやってくれていて、毎月20万円ずつ送ってくれる。「今月はもっといる」と言うと30万円送ってくれたり。ただ、今の生活だと、ほとんどは20万円で足りますね。
少しずつだけど仕事があるし、これまでの貯金もあるので、取り崩していけばなんとかなるんじゃないですか。なるべくお金を使わずに早く死んでいくのが今のテーマです。妻からも「あまり粘らないで」という話になっています(笑)。
家族って、たとえるなら「砦」のようなものでしょうか。たまに名古屋の家に行きますけど、家から書店まで20分、スーパーまで30分かかるし、ご飯も宅配に頼むことが多い。自分はそういう場所では暮らせないので、今の高円寺の家が終の棲家になると思います。
僕はもう50年来、高円寺で暮らしてきて、何年か前に同じ高円寺にある1LDKの小さいマンションに引っ越しました。不動産会社に「駅から近くて安いとこないか」と言って探してもらって。
ここは外食するのも便利だし、時々昔の仲間から電話がかかってきて、一緒にメシを食ったりもできる。結局は、人よりも自分。個人が守りたいことを守るのがいちばん大事なんじゃないですか。
