国による規制の違いが違反の温床に(写真:イメージマート)
中国で発がん性物質「ホルムアルデヒド」に浸された白菜が出荷されていたことが国際的な問題になっている。だが、問題はこれだけでは終わらない。本誌・週刊ポストが調査すると、発がん性物質が検出された中国産食品はまだまだ存在しており、検疫をすり抜けて日本に上陸している現実が浮き彫りになった。それらの食品はどこで、どんなメニューで使われているのか。徹底追跡した。【全3回の第2回】
日本ではブロッコリーへ使用禁止でも中国はOK
本誌は厚労省が公表している2020年度から2026年8月までの食品衛生法違反事例を調査。その結果、国際機関で発がん性が指摘されている物質が検出された事例が、計233件も確認された最も違反事例が多かったのが、発がん性のカビ毒「アフラトキシン」が検出された事例で、計171件。次いで違反件数が多かったのが殺菌剤の「プロシミドン」で、計54件の検出事例があった。消費者問題研究所代表で食品問題評論家の垣田達哉氏が語る。
「農産物の植物病を防ぐために使われる農薬の殺菌剤で、米国環境保護庁(EPA)などは、ヒトへの発がん性物質である可能性が高いとしています」
EUでは人体のホルモンの働きを妨げ、健康や生態系に悪影響をおよぼす懸念があるとして農薬としての使用が禁止されている。今回、プロシミドンが検出された品目で最多となったのは冷凍ブロッコリー(37件)だが、食品の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行氏はこう話す。
「日本国内ではブロッコリーへのプロシミドンの使用は規制される一方、中国では認められているのです。こうした国による規制の違いが違反事例の背景にあります。
ブロッコリーは今年4月、消費量が多く、国民の生活上重要であるとして国が安定供給を確保するために定めた『指定野菜』に追加された人気の高い野菜です。一方で国産品は高価なため、安価な中国産の冷凍ブロッコリーが多く輸入されており、これも違反事例の多さにつながったと思われます」
中国産ブロッコリーの主な使用先について、垣田氏はこう話す。
「外食店のステーキやハンバーグの付け合わせとしてニーズが高い。以前は米国産が多かったのですが、近年は中国産がシェアを伸ばしています」
