「追加料金なし」「家族葬7万6000円~」…問題視された葬儀広告
葬儀社仲介業者とは、検索上位に表示される「葬儀社サイトを運営し、インターネットで葬儀社を探している消費者を近所の葬儀社に紹介して、紹介手数料を得ている組織」のことです。以前この連載で、葬儀社仲介業者が葬儀終了後に想定外の追加費用を請求するトラブルの事例と、その対策を解説しました。(https://www.moneypost.jp/1390257)
今回は見積書の段階で、「広告で見た内容と違う」という状況が生じたケースです。
まず第1回では消費者を誤解させる広告の具体例と、このような広告が生まれる業界の構造について解説します。前提として「死亡→搬送→打ち合わせ(見積書作成)→通夜→葬儀→火葬」の流れでお葬式が進行することを押さえておいてください。
葬儀社仲介業者が手掛ける悪質な手口にもさまざまありますが、広く世に知られることになったきっかけは2018年、葬儀社仲介業者のトップ企業であるU社が消費者庁などから指摘を受けた事例だと思います。
U社は、「追加料金は発生しない」と広告でうたっておきながら、葬儀終了後に搬送料金や安置費用を追加で請求していました。必要な費用であるにもかかわらず、広告の表示金額に含めないケースもありました。
この追加請求について、消費者庁はU社に対し、実際よりも安い条件で利用できると消費者に思わせる「有利誤認である」と認定し、表示を修正するよう命令を出しました。2021年には金銭的な制裁として1億180万円の納付命令も出しています。
合わせてU社は、広告表示金額に火葬場スタッフの人件費を含めていませんでした。どの葬儀社も火葬場にスタッフを同行させますが、その人件費を基本セットに含めている葬儀社が多いなか、U社は後から追加請求していたのです。これは2023年に適格消費者団体(不当表示などの差止請求ができる、国が認定した消費者団体)から指摘を受け、広告を修正しています。
またU社のグループ会社は、実態は直葬であるにもかかわらず「家族葬7万6000円~」というネット広告を出していました。確かに家族葬に厳密な定義はありませんが、直葬のことを家族葬と呼ぶのはアウトです。不動産広告で、ワンルームの物件なのに2LDKと呼ぶようなものです。この手口も2025年に適格消費者団体から指摘を受け、U社のグループ会社は広告を修正削除しています。