相場と大きく乖離した強気な価格設定に対しては、いかに人気エリアであっても買い手の目はシビアになっている(写真:イメージマート)
東京23区内の中古マンション価格はここ10年ほど値上がりを続け、平均で1億円を超える水準に達したが、ついにピークアウトし、調整期に入りつつあるという専門家からの指摘が出ている。
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中古マンション「価格乖離率の拡大」が意味すること
「住宅ローンを組んでマンションを購入する実需層が支払える限界を超えたということです。中古物件の流通が重くなっていて、滞留し始めています」
そう語るのは、『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏だ。なるべく高く売りたい売り手と、高すぎて手が出ない買い手との価格の開きが大きくなっている。東京カンテイのレポート(2026年7月30日)によると、首都圏における2025年下期の中古マンションの価格乖離率(売り出し価格と成約価格の差を示す比率)は▲6.22%。前期の▲6.14%からさらに拡大しており、売り出し価格からの値下げ幅が大きくなっていることがわかる。レポートでは、「新築と遜色ない築浅物件を中心に一部では“過度なチャレンジ価格”を設定するケースが多かった」としている。
一般的に、相場より高い売り出し価格を設定すれば、成約に至るまでの期間も長くなると考えられる。そこで、マネーポストWEBでは、不動産ビッグデータをAI解析するエステートテクノロジーズの協力のもと、売り出しから成約までの「販売日数」を駅ごとに算出して、「危ない駅ランキング」を作成した。前年と比較し、販売期間が長期化した割合を「悪化率」としてランキング化している。
では、「販売日数が長期化する」とは、具体的にどのような状況なのか。
中国人富裕層にも人気のエリアで“チャレンジ価格”の限界
「相場1億円の物件を1億5000万円で売ろうとしたら、なかなか売れないのが当然です。私のところへの相談者に、都内の人気文教エリアにある築20年ほどの60平米のマンションを売りに出している人がいます。相場が1億2000万円くらいの物件を1億5000万円で出しているのですが、今のところ『食いつき』がよくないですね。
この物件は、近隣に国公私立の有名校がひしめいており、学齢前後のお子さんがいる教育熱心な家庭には人気が高いエリアで、最近では中国人の富裕層からも人気があります。だから、『買い手は必ずいる』と考えて、強気のチャレンジ価格で売り出しているのですが、そう簡単には売れなくなっています」(以下、「」内コメントは榊氏)
人気の高いエリアでも、相場を上回る強気の価格では、以前のように買い手がつきにくくなっているという。ランキング表を見ても、首都圏全体を対象とするなかで、港区の駅の多さが目立つ。具体的に見てみよう。
