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住まい・不動産
都心の高級マンションの賢い「買い方・売り方」

高級マンションにありがちな「非公開」「限定公開」物件のカラクリ メリットが大きいのは不動産会社、非公開戦略が売主の利益につながらないケースも

不動産仲介会社・I-House代表取締役社長・石黒雅規氏

不動産仲介会社・I-House代表取締役社長・石黒雅規氏

 また、不動産会社にとっては、物件をレインズ(不動産会社間専用のオンライン情報ネットワークシステム)やポータルサイトなどの表に出さないことで、他社の顧客によって成約する可能性を抑えることができます。他社が買主を連れてくる「客付け」の機会を減らし、自社の顧客で成約させることができれば、売主側・買主側の双方から仲介手数料を得られる可能性が高まります。

 基本的には、非公開販売には不動産会社側のメリットが大きいという構造があります。そのため、売主にとって重要なのは、その非公開戦略が本当に売主の利益につながっているのかを確認することです。非公開にすることで、売却価格や売却期間にどのような影響があるのか。他社の顧客に情報を届けないことで、売却機会を失っていないか。そして、非公開にすることで、不動産会社の両手取引の可能性が高まっていないか。

「非公開」戦略が有効に機能するケースとは

 不動産売却では、情報を広げすぎれば希少性が失われることがあります。一方で、情報を絞りすぎれば競争環境が生まれず、売却機会を失うこともあります。買主候補が1人しかいなければ、その買主の提示条件を受け入れるかどうかの交渉になります。複数の買主候補がいれば、価格や条件を比較できます。どこまで情報を開くかは、売却価格や売却期間に直結する重要な戦略判断なのです。

 非公開戦略が有効なのは、「誰に対して閉じ、誰に対して開くのか」が明確な場合です。富裕層の既存顧客に限定して紹介する。金融機関や士業のネットワークを通じて水面下で打診する。一般公開前に一定期間だけ限定的に反応を見る。このように、届ける相手と方法が明確であれば、非公開戦略は有効に機能する可能性があります。

※石黒雅規著・『都心の高級マンションを最高値で売却する技術』(クロスメディア・パブリッシング)をより一部抜粋して再構成

(都心の高級マンションの賢い「買い方・売り方」・第2回に続く)

【プロフィール】石黒雅規(いしぐろ・まさのり)/株式会社I-House代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、American Universityで経済学修士課程、Columbia Universityで統計学修士課程を修了。学生時代、ワシントンD.C.での日本大使館経済班インターンを経て、JPモルガン証券で投資銀行業務等に従事。30代は代表取締役として中小企業の経営に携わる。2016年に株式会社I-Houseを設立し、代表取締役に就任。事業提携の解消により売上の大半を失う危機を乗り越え、2020年10月に不動産業界へ参入。都心の高級中古マンションに特化したメディア「mitaina」を立ち上げ、運営を開始。2026年10月現在、同メディアの月間利用者数は約15万人、SNSの合計フォロワー数は15万人超。
Instagramアカウント:@mitaina.tokyo
Xアカウント:@MasaIshiguro

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