家計

普通の人が普通に生活していても「借金苦」に陥る理由

 しかし、それはただの借金であり、返済する必要のあるお金であることに変わりはありません。一括払いですぐに支払い期日がやってくれば、お金を使った痛みを早期に感じることができるかもしれませんが、リボ払いだとそうもいきません。まとまったお金を使っても、毎月少額の支払いで済めば、痛みを感じにくくなってしまうのです。そして、それは借金がなかなか減っていかないことを意味します。

 さらに、そのうえで買い物を重ねていけば、どんどん借金は増え続け、最悪の場合、破綻に陥ってしまうわけです。

借金返済しながら貯蓄するためにはどうすればよいか

 年功序列をはじめ日本型雇用システムが崩壊するなか、収入が右肩上がりで増えることが望めないのに、支出を増やす。あるいは支出を増やさないまでも、今までと変わらない生活を送ろうとする。残念ながら、収入カーブに合わせた支出カーブを描けていない家計が少なくありません。

 収入の範囲で支出をする──それがバビロンの時代から変わらない家計管理の原則ですが、皮肉にも後払いによって金銭感覚が狂う人が多いことも変わらないようです。クレジットカードを使うなら、リボ払いではなく、1回払いにするなどの工夫は当然求められてきます。

 ところで、収入に対してどこまで借金をしてよいか、という比率をご存じでしょうか。これにもバビロンの時代から語り継がれる「黄金比率」があります。

 先ほどのダバシアのエピソードには続きがあって、彼が大金持ちの友人に助言されたのが次の方策でした。

【1】収入の「1割」は自分のために支払う(貯蓄に回す)
【2】収入の「2割」を借金返済に充てる
【3】残り「7割」で自分と家族の生活をすべてまかなう

 現在、住宅ローンを組む際に、銀行などの金融機関はおおむね年収の35%までを目安に貸してくれるケースが多いですが、それを「2割以内」にすべきだと私は考えています。理由は簡単で、返済しながら貯蓄もしていくには、借金を収入の2割までに抑えないと厳しいからです。

 むやみに借金を膨らませないためにも、この「1:2:7」の黄金比率はぜひ覚えておいてほしいものです。

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