住まい・不動産

東京で待機児童が多く「保育園に入りにくい駅」ランキング

 葛西駅(江戸川区)、新小岩駅(葛飾区)、北綾瀬駅(足立区)の上位3駅は、他と比べても特に0歳児人口が多いという。そのため、一見“子育てしにくい街”のように見えるが、「実はそうとは限りません」と、沖さんは指摘する。

「同3駅は『保育園に入りにくい駅』という不名誉なランキングの上位となっていますが、『0歳児人口が多いから』というのが理由です。それは、いずれも都心部へのアクセスがよい駅にもかかわらず、都区部の中では比較的マンション価格が抑えられ、人気が集中しているため。しかし今後、児童を受け入れる態勢が整ってくれば、“子育てしやすい街”に生まれ変わる可能性がある街なのです」

 例えば足立区では「足立区待機児童解消アクション・プラン」を改定し、施設整備計画の見直しを行うとともに、新たに認証保育所整備の促進、幼稚園の預かり保育への支援など多様な保育サービスの拡充を予定。2020年4月までの待機児童解消の実現を目指すという。江戸川区も葛飾区も同様に、区として子育て支援・対策を推進する計画だ。

「『保育園に入りにくい駅ランキング』は決して“子育てしにくい街”ではなく、“子育てしやすい街”として今後多くの需要が発生することが予想されます。また、ランキング上位の駅は、マンション価格が高騰する都心部に対して比較的割安で買いやすいだけでなく、今後子育て環境が整ってくれば“資産性が高い街”にもなることも期待されます」

 子供を保育園に入れたいと考えている子育て世帯や共働き世帯には、「これからどんな街になるか」を視野に入れて居住地を選ぶことも重要になりそうだ。

【プロフィール】沖有人(おき・ゆうじん):スタイルアクト株式会社代表取締役。国土交通省「住宅エネルギー性能表示検討委員会」の委員なども務める。新刊『独身こそ自宅マンションを買いなさい』のほか、『マンションは10年で買い替えなさい』など著書多数。分譲マンションの無料会員制情報サイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/)を運営。

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