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樹木希林さんにみる「賢い相続」 空き家は賃貸に、会社も名義変更

あらかじめ「死ぬ前の手続き」を終わらせていた樹木希林さん(写真:時事通信フォト)

あらかじめ「死ぬ前の手続き」を終わらせていた樹木希林さん(写真:時事通信フォト)

 このことから、樹木さんの意志を尊重して、内田が不動産の相続を放棄したのではないかとみられる。そこには、家族全体の負担を少なくするなどの配慮もあったようだ。相続コーディネーターの曽根恵子さんが語る。

「将来、也哉子さん一家が2次相続で多額の税で苦しむことがないように、内田さんを含めてご家族で話し合い、マンションに住み続けられるようにして、内田さんが樹木さんの遺言書の内容を受け入れられるようにしたのではないでしょうか」

 ほかにも、樹木さんには「賢い相続」が数多くみられるという。

「上手なのは、空き家のいくつかを賃貸にしていることです。法律で、賃貸業をしていると200平米までは土地の評価が50%減額になるので相続税の節税になります。また、相続した賃貸契約はそのまま引き継がれます。現在、飲食店に貸し出している戸建てAの家賃収入は、也哉子さんのものになる。また、空き家のまま老朽化したり、無駄に固定資産税や管理費だけがかかるのも防げるので、賢い不動産の活用の仕方だといえますね」(前出・曽根さん)

 さらに、樹木さんは個人事務所の「希林館」も将来を見越した名義変更を行っていた。登記を見ると、2003年に也哉子に代表取締役を任せ、昨年2月に内田が取締役を辞任し、代わりに也哉子の長男・UTA(21才)を取締役にしている。この個人事務所の名義で所有する不動産もあり、今後は也哉子が、社長として運営していく。

「お孫さんが取締役に入ったのは、也哉子さんの業務をサポートするためと思われます。また、20年後、30年後の会社の行く末を見据えて、早めに仕事を任せておこうという思いもあったのではないでしょうか」(前出・曽根さん)

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