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鉄道ファン憧れの「全線完乗」に立ちはだかる“完乗の定義”

 車窓を判断基準にするなら、地上を走っていた路線が高架になれば、景色は大幅に変わりますし、新駅が出来れば路線の風景は変わります。そこまでいくと『乗ったとは何か?』という哲学のレベルです」

 ここまでは主に鉄道にクローズアップしたものだが、“乗る側の姿勢”も問われる。

「私は、可能な限り特急でなく鈍行列車で移動しており、しかも夜に乗って始発駅から終着駅まで真っ暗だったら、乗った路線としてカウントしていません。景色が見えないと乗った気がしないからです。また、全区間を通じて熟睡してしまった場合、乗りつぶしにカウントしない鉄道ファンもいるようです」

 TさんはとりあえずJR全線の完乗を目指しているが、鉄道ファンの中には、JRはとっくに乗り終わってしまい、日本全国の鉄道の完乗を目指している人もいる。ここまで行くと、いよいよ大変なようだ。

「全鉄道の完乗となると、『鉄道とは何か?』という定義にぶち当たります。路面電車、モノレール、ケーブルカー、トロリーバスなど、鉄道の範疇に含まれそうな乗り物はたくさんありますし、鉄道事業法にはスキー場のゴンドラも含まれます。鉄道ファンの中には、遊園地の“汽車ポッポ”まで乗り歩いている人もいるようです」

 ちなみにTさんは、乗りにくい(≒魅力的な)ローカル線から攻めていってしまい、残っている区間が都市部の新線区間や新幹線の延伸区間ばかりなので、「わざわざ乗りに行くのに、あまりワクワクしない」という問題にぶち当たっているのだそう。これから完乗を目指す人には、「つまらなそうな路線から乗っていった方が、後々楽しいですよ」と、アドバイスしている。

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