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高齢ドライバーへの運転制限は必要か否か? 専門家の見解は

●伊藤安海氏(山梨大学教授・やりすぎ派)

 40代でも危険運転をする人はいますし、年齢で制限するのは合理性がありません。75歳を過ぎて車に頼る生活をしていた人が突然、免許を奪われたら間違いなく“無免許運転”が横行します。すでに地方を中心にそうした例が多数ある。

 適性で運転の可否を判断するなら、免許取得時から継続的に検査を行なう必要があります。「今は大丈夫だけど10年後は……」と若いうちから思えれば、交通至便な場所に引っ越すこともできますが、75歳で生活設計を見直すことは難しい。

「国立長寿医療研究センター」の調査では、運転をやめた65歳以上の人が要介護状態に陥るリスクは、運転している人の約8倍。運転をやめた途端に認知症が進んでしまった事例もある。健康的な面からも、一律に運転制限するのは不条理です。

※週刊ポスト2020年1月17・24日号

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