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住まい・不動産

「調布の自由が丘」と評される京王線「仙川」、実際の住みやすさは?

京王線の中でも上品なイメージの街(仙川駅)

京王線の中でも上品なイメージの街(仙川駅)

 住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「仙川」(東京都調布市)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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 ある街を評する際、「○○の△△」と呼ぶのはよくあること。「北陸の小京都=金沢」「飛騨の小京都=高山」など、日本全国に点在する「小京都」はその典型例です。東京近郊でも、柏と町田がそれぞれ「東の渋谷」「西の渋谷」と呼ばれることがありますが、今回取り上げる仙川は、ある情報番組で「調布の自由が丘」と評された街。23区外ではありますが、通勤も便利で非常に住みやすい街だと思います。

 鉄道は京王線のみ。長い間、各駅停車しか停まらない駅でしたが、2001年に快速が、2015年に区間急行が停まるようになり、駅の使い勝手は着実に上がっています。新宿まで約15分、渋谷までも乗り換え込みで約20分。完全に京王線頼みですが、一応バスで三鷹(JR中央線)、成城学園前(小田急線)などに出られます。なお、仙川は「せんがわ」と読みますが、東京メトロ有楽町線には「千川駅」があり、こちらは「せんかわ」。非常に間違えやすいので、要注意です。

 道路状況はあまり良くありません。甲州街道がすぐ近くを通っており、東西方向の移動は甲州街道、南北方向の移動は少し都心側の環八(環状八号線)を使うことになりますが、どちらも交通量は凄まじく、大型車両も非常に多いので、運転に自信が無い人は車での移動は避けた方が無難です。特に甲州街道は、片側2車線ですが非常に幅が狭いので、自転車やバイクにはくれぐれもご注意を。裏道も狭い上に入り組んでおり、車泣かせです。

住みやすさは京王線内トップ

 京王線は、幡ヶ谷、笹塚、下高井戸、千歳烏山などに代表されるように、駅前に商店街が広がる庶民的な街が多い路線ですが、ほぼ唯一と言っていいほど独自の道を歩んでいるのが仙川です。もともとは京王線の他の駅とそれほど代わり映えしない“普通の駅”でしたが、区画整理で高級スーパーの「クイーンズ伊勢丹」がオープンし、世界的な建築家である安藤忠雄氏が設計した建築物が立ち並ぶ通称「安藤ストリート」も誕生して、一気にスタイリッシュな街へと生まれ変わりました。

 駅周辺には多くのスーパーが立ち並んでおり、ドラッグストア、ホームセンター、主要銀行の支店なども揃っていて、日常生活の便は申し分なし。飲食店のラインナップも豊富で、独身、若者、ファミリー、富裕層まで、多様な客層に合わせたお店が軒を連ねています。白百合女子大、桐朋学園という2つの名門校があり、上品なイメージの形成に一役買っています。

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