マネー

がん保険 主治医が書く診断書によって保障が左右される

「年齢」によってもらえなくなることがある

 終身保険等にがん特約をつけている場合、本体となる保険の契約次第で、更新しなければ効力を失う「保障切れ」にも注意が必要だ。ファイナンシャルプランナーの福島えみ子氏が指摘する。

「保障年齢の期限があり、55歳など、一定の年齢で更新しないと保障が切れる特約は多い。55歳、65歳といった区切りの年齢になったら、保障切れになる特約ではないか確認したほうがいいでしょう。また、掛け金が安くて人気の共済は、年齢が上がることで、保障外になったり、保障額が減額されたりするものもあるので注意したい」

 特に一度に支払われる額が高額な診断一時金の差は大きい。『いらない保険』など多数の著書がある「保険相談室」代表の後田亨氏がいう。

「古いタイプの契約では診断一時金が65歳以降は半額になる場合があります。64歳まではがんと診断されたら100万円が受け取れるのに、65歳だと50万円といった具合です。そのぶん、保険料が抑えられているのですが、受け取りも半額になるという認識が必要です」

「切る」しか選択肢のなかった時代に加入したきりの「古いがん保険」だと、思ったような保障が受けられないことがあることは、多くの専門家が指摘している。ただ、「新しいがん保険」に切り替えるかについても、慎重な判断が必要となる。ファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢氏が指摘する。

「がん保険は“通院治療や短期の入院でも支払う”という傾向が強まっていますが、そのぶん保険料も高くなります。そもそも短期入院や通院治療は健康保険の高額療養費制度で賄える部分が大きいので、保険で備えるのは高額になりがちな手術や長期入院だけにするという考え方もあっていい。決して安くない保険料を払う以上、約款を見直して保障内容や条件を確認すると同時に、どこまで保険でカバーするかを改めて考えることも必要です」

 がんという人生を左右する疾患と保険商品を巡る多くの“失敗談”から、学ぶべきことは多い。

※週刊ポスト2020年3月13日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。