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人生100年時代に備えた「年金制度の抜本改革」3本柱の中身

年金が2倍に

 第2の改正は、年金の「繰り上げ」と「繰り下げ」を選択しやすくなるもの。

「年金を65歳より早くもらう繰り上げを選ぶと、毎月の受給額が減らされます。現行制度では60歳まで繰り上げると受給額は30%減額されるが、改正で減額率が見直されるとすれば、60歳受給でも24%減となる」(北山氏)

 年金月額16万円の男性の場合、65歳から平均寿命(約82歳)までの年金総額は約3264万円。これまでは60歳繰り上げを選ぶと年金月額11.2万円に下がるため、82歳までの総額は約300万円も少なくなる。これが「年金は早くもらいたい」と思っても繰り上げを選びにくい理由だった。

 しかし、改正後は60歳繰り上げの年金月額が12.16万円、82歳までの総額は約3210万円となり、65歳受給を選んだ場合と平均寿命までの総額はほぼ同じになる。

 一方、現在は70歳までの繰り下げが、新制度では75歳まで、受給開始を遅らせられる。その場合、受給額が84%増える。夫婦どちらかの年金を繰り下げて「約2倍に増やす」など、家計の状況や働き方によって、年金のもらい方の選択の幅が大きく広がる。

 第3の改正は、厚生年金の加入要件拡大だ。現在、夫の扶養家族になっているパート妻(第3号被保険者)の多くが、これからは厚生年金に加入を求められる。

「保険料の負担が生じ、扶養に入りづらくなりますが、夫婦の年金を増やせるチャンスでもあります。女性は今年55歳になる人まで厚生年金の特別支給をもらえる世代です。女性の方が平均寿命も長いため、パート勤務なら厚生年金に加入し、特別支給の年金をもらいながら働くのが有利になる。今回の年金改正は女性にとってメリットが大きいといえます」(同前)

 この他にも、表のように「年金生活者支援給付金」や「加給年金」など申請することで年金を増やす方法は数多くある。

※週刊ポスト2020年5月1日号

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