住まい・不動産

西の高級住宅街・芦屋の実態 トップに君臨する「六麓荘町」とは

芦屋の六麓荘町には電柱も自販機もない

芦屋の六麓荘町には電柱も自販機もない

 また、福徳によれば一口に芦屋と言ってもそこにはヒエラルキーがあり、トップに君臨するのが、「六麓荘町」(ろくろくそうちょう)なのだという。

 現地を訪ねてみると、大きなお屋敷が建ち並ぶほか、コンビニやスーパーはもちろん、自販機や信号、電柱すらないうえ、人も歩いておらず異世界に迷いこんだ気分にすらなる。地元のタクシー運転手にそれを伝えると、笑いながら教えてくれた。

「最寄駅の阪急芦屋川まで徒歩30分くらいかかるから、歩く人なんておらんのです。みなさん自分で車を運転するか、運転手つき。奥さまがたもベンツやポルシェに乗ってますね。買い物はいかりスーパーか、御用聞きさんでまかなっているお宅がほとんどです」

 六麓荘の物件を扱う「Oh!不動産」社長の幸保和明さんが解説する。

「六麓荘は全世帯で250軒しかなく、しかも長く住まわれるかたがほとんどで売買の動きは極めて少ない。規約では400平方メートル以上からの土地販売が可能ですが、400平方メートルという敷地は少なくて、だいたい1000平方メートル超が多いんです。もし六麓荘で新たに家を建てる場合、土地代に3億、建物代に3億。ほかに庭などの外構費を含めて、7億円ほどになりますね。

 ただし、お金さえあれば家を建てられると思ったら大間違い。新築と増改築には六麓荘町内会と芦屋市両方の承認が必要となります。新築は個人の住宅のみに限定されていて、高さは2階建て以内、緑地部分10平方メートルにつき高木1本と中木2本の植樹、敷地の4割は庭(緑地)、門扉は内開き…など条例で細かく定められています」

 驚くのは『六麓荘倶楽部』と名づけられた公民館の維持費や、50メートルごとに設置されている町内の防犯カメラの費用などは行政に頼ることなく町内会の予算のみでまかなわれていることだ。この維持管理は町内会の入会賛助金により運営されていて、その額はなんと50万円。そのほか町会費が年1万2000円、積立金が年600円となる。

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