吉田みく「誰にだって言い分があります」

会社の副業容認で意欲を見せる夫に先行きの暗さを感じる妻の嘆き

「副業の収入は毎月2万円ほどだったんですが、ある日、大きな案件を獲得できたと喜んでいました」

 夫が副業を始めて半年が経過した頃、報酬の良い仕事が舞い込んできたという。全て完了させると7万円ほどの収入になるため、今まで以上に気合いが入っていたそうだ。

 寝る間を惜しんで夫は作業に集中。育児に向き合わない夫にはイライラしたものの、大きな額の収入があると思えば我慢できたと巻田さんは話す。しかし、事態は思わぬ方向へ進んでしまう……。

「夫がクライアントと原稿のクオリティのことで揉めたようです。再提出する旨を伝えたそうですが、『もう必要ありません』と言われてしまったみたいで……」

 何度も話し合ったそうだが平行線のまま。最終的にはこちらが何度連絡してもクライアント側がそれを無視し始めたという。困り果てた夫は、仲介しているクラウドソーシングサイトに今回の件を相談・報告。しかし、返ってきたのは解決に向けたアドバイスのみ。「問題は利用者同士で解決するように」と言われてしまったという。

 このトラブルをきっかけに夫はやる気をなくし、クラウドソーシングの利用をストップ。期待していた報酬を得ることはできなかったそうだ。しかし会社の業績不振もあるため、副業はせざるを得ない状況だという。現在、夫は文章術セミナーに通いスキルアップを目指しているそうだが、巻田さんは渋い顔をしていた。

「夫は将来的な収入アップを目指しているようですが、そもそも今お金が必要なのに、お金を払ってセミナーに通うなんて……。私の意見ですが、夫の会社に未来はないと思っています。ボーナス大幅カットで副業推進……、それって早く辞めて次に行くべきじゃないですかね?」

 本業以外に収入を得られるメリットがある副業だが、今回の巻田さんのケースのようなトラブルがつきものであることを理解しておく必要がある。自分自身の力で問題解決をすることも、個人として働く上で大切なことだ。会社側がどのような意図で副業を解禁したのか、一旦考えてみるのも良いかもしれない。

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