中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

鬼滅、スーパーカブ、SMAP… SNSで拡散される「新聞広告」の復権

 これを受けて木村拓哉は自身のラジオ番組でそれとなくファンからの広告について言及したり、「新しい地図」の3人(稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛)は活動開始の際に朝日新聞と東京新聞・中日新聞に30段広告(見開きの巨大広告)を出し、これまたファン熱狂させるという流れになったのです。

 というわけで、新聞に広告を出すと「新聞に出たよ!」とファンがSNSに書くことが定番になっています。「ネットで話題になるきっかけ」として新聞広告が今は重要視されていると言えます。

片桐仁さんが登場した「LG21」の全面広告

片桐仁さんが登場した「LG21」の全面広告

 今年1月23日、明治の「LG21」の15段広告(一面広告)が目立っていました。俳優の片桐仁さんが出ていて、「胃人こそ、現代の偉人だ」のコピーがあり、哲学者のような風貌の「胃人カタギリ」が登場し、その下には胃人カタギリのペーパークラフトがついている。「つくりかた公開中!」と公式HPに繋がるQRコードもついています。

 実際に動画を見ると片桐さんが息子さん2人と一緒にペーパークラフトを楽しそうに作っています。ツイッターにもこのペーパークラフトを作ったという報告が多数上がっています。

「定期購読はしないまでも時々特別な広告があった場合に駅やコンビニで買う人はけっこういて、その時には手ごたえを感じます。新聞広告はネットで“バズる”手段の一つですよ」(広告会社営業)

 こんな声も聞かれるわけで、新聞広告、意外と面白い状況にあります。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。

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