家計

60代女性記者が今も忘れられない名言「惚れた男には金を借りろ」の真意

借金を断ると男のメンツが潰れると思わせる

 で、私の借金事情はというと、18才で住み込みの店員として上京してきて1年後にはアパートに住み、専門学校に通っていた身。親の援助なんかないから、月末にお腹が空くと女友達から1000円単位の借金をしてしのいでいた。

 それでもアパートの更新料がどうにもならなくなって、当時、私に好意を寄せてくれていた5才年上の男に借金を申し込もうかどうか、迷っていたの。そんな折、何度か連れられて行ったことのある新宿のバーのマダムから、いまも忘れられない名言を賜った。当時、30代半ばだったマダムは、20才を過ぎたばかりの田舎娘の私にこう言ったのよ。

「もしね、離したくない男ができたらお金を借りなさい」と。

「え~、お金貸してなんて言ったら逃げられちゃうでしょ」と言うと、ツンデレ美人は「いい!? だいたい男ってケチなの。男は、お金を出した女に執着するものなの。男の懐具合を見極める意味でも、敢えてお金を借りるのよ」。

 男の騙し方を聞いているような気もしたけど……マダムの話は続く。

「借金の額は、出してちょっと痛いくらいがいいの。サラリーマンだったらボーナスの3分の1くらいの10万円から30万円くらい。断ると男のメンツが潰れると思わせるような額よ。失業したとか、親が入院したとか、借りる理由は何でもいいの。アパートの更新料? まぁ、いいんじゃない。とにかく、借金を断ると男のメンツが潰れる、と思わせることだね」

 で、さっそく実行したら、「まさか、きみにそんなことを言われるとは思わなかった」と逃げられた。

 数年後、別の男からはその手で数万円借りられたけど、支払いが数日遅れたら怒鳴り込まれて取り立てられた。“マダムの経済学”は誰でも役に立つものじゃないんだね。

 でも、「惚れた男には金を借りろ」は、飲み屋のカウンタートークではずいぶん感心され、実際、実行してかなりの金額を引き出した女もいたらしい。で、ますますエンジンを吹かしていたら、「それ、無理。ありえない」と年下から全否定された。外資系勤務のM子(36才)に言わせれば、「男から借金するなんて考えられない。むしろ、こちらが外資系と知ると、『給料いいんでしょ、お金貸して』と言われる」そう。

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