中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

若者を怒鳴りつけた40代男性 自己嫌悪の末に気づいた「自分から謝る」大切さ

「謝ったら死ぬ病」ほど厄介なものはない

 しかしさすがに2日後になると「やっぱり大人げなかった。逆に私のほうこそAさんにキチンと謝らなくてはいけない」と思い始めます。あの場であれだけ怒鳴られた以上、向こうからは連絡しにくいでしょうし、せっかく出会ったばかりなのに今後の関係がなくなってしまうのはあまりに寂しい。そして、同氏に電話をしました。携帯電話の番号は知らないため、彼の職場に電話をしました。

私:こんにちは。一昨日はお越しいただきありがとうございました。
A氏:いえいえ、こちらこそ。
私:そして、あそこでキレてしまい本当に申し訳ありませんでした。我ながら愚かな行為だったと思います。ごめんなさい。
A氏:いえいえ、私の方も粗相がありました。
私:あれまでずっと楽しい時間だったのに本当にごめんなさい。
A氏:私も久々にああやって楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。
私:それで、キチンとお詫びをしたいので、近々サシでお会いしていただけませんでしょうか? お時間作っていただければ幸いです。
A氏:ぜひ、お願いします。

 なんだか若いA氏のほうがよっぽど大人の対応をしてくれました。こんな流れで、A氏のメールアドレスを聞いて、手打ちの食事会の日程を決定しました。そしてこの時点で、明らかに気分がスッキリしていることに気づきました。それまでの30時間ほどは、最初はA氏への怒りがあったものの、その後、自分の大人げなさを恥ずかしく思う気持ちが強まってきて、なんだかモヤモヤしながら、気分はドーンと落ち込んでいました。それがこの電話とメールにより、一気に吹き飛んだ。

 私のほうが非礼を侘びたいということでセッティングを申し出たということもあり、実際にA氏と食事する日は、礼儀として約束の時刻よりも先に店に入り、待っていました。

 そこへA氏がやってきた。まるで一日千秋の思いで恋人を待つかのような時間でしたが、A氏にはキチンと謝罪をしてそれを受け入れてくれたので、これにて解決。約1時間半、サクッと楽しく飲み食いをし、お別れをしたのでした。もしこの機会がなかったら、私は自分に非があったことから目を背けつつ、イライラしながら生活し続けていたことでしょう。

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