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「妻とは不仲」と言う上司と不倫した女性 慰謝料請求に応じる必要はあるか

上司から「妻とは不仲」と聞いていたそうだが…(イラスト/大野文彰)

上司から「妻とは不仲」と聞いていたそうだが…(イラスト/大野文彰)

 多くの人を不幸にしかねない「不倫」。最終的に「お金の話」に発展することもあるだろう。不倫関係になった男性の妻から慰謝料を請求された場合、どうすべきか、弁護士の竹下正己氏が答える。

【相談】
 娘のことで相談です。娘が会社の上司と不倫をしていたそうで、突然、相手の奥さんから電話がきて、「あなたのせいで精神的に病気になった。不倫の慰謝料として100万円払ってほしい」と言われました。もちろん、不倫をしていた娘にも非はあると思いますが、上司からは「妻とは不仲」だと聞いていたそうです。娘は奥さんに慰謝料を支払わないといけないのでしょうか。(東京都、58才・主婦)

【回答】
 夫婦の間には婚姻共同生活の平和の維持という権利、または法的保護に価する利益があり、不貞はこれを侵害する不法行為になります。不貞をした有配偶者・甲は、自分の配偶者・乙が被った精神的苦痛を償うために慰謝料を支払う義務を負います。

 甲と不貞行為した者の責任については、最近では、不貞は夫婦の間の問題だから、第三者が特に夫婦関係を壊そうとするような悪意であった場合は別として、不法行為にはならないとする説が有力になっています。

 しかし、最高裁は一貫して不貞行為者は、その相手方・甲の配偶者・乙の権利を侵害する不法行為をしたものとして、乙に対して慰謝料を支払う義務があると解しており、相手が結婚していることを知っていたり、知らなくてもそのことに過失があれば、「配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず」責任があるという原則を維持しています。

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