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松屋『アンガス牛焼肉定食』と吉野家『黒毛和牛重』 牛丼店の未来はどうなる?

吉野家では1419円の『黒毛和牛重』が登場

吉野家の『黒毛和牛重』(テイクアウト)

吉野家の『黒毛和牛重』(テイクアウト)

 一方、吉野家は、8月12日から『黒毛和牛重』(店内1419円、テイクアウト1393円)を販売している。このメニューは国会議事堂内の永田町一丁目店のみで販売されていたものだったが、今回数量限定で全国販売することとなった。

 生姜やにんにく、醤油などを配合した特製だれで焼き上げた、A3以上ランクの黒毛和牛肩ロースを大盛りご飯にのせたこの“牛重”。味噌汁とキムチがセットになっている(テイクアウトは味噌汁なし)。

 こちらの『黒毛和牛重』に対し、ネット上では〈ちゃんとした焼肉店で食べる肉の味を楽しめた〉、〈牛丼と違い、塩胡椒の強いタレで、肉を食ってる感ある〉、〈ウマいけど高いなあ。近くの名門の焼き肉ランチの方が安くて美味いかな〉などの意見が寄せられている。

たっぷりのネギがのった吉野家の『黒毛和牛重』

たっぷりのネギがのった吉野家の『黒毛和牛重』

「お肉はとても柔らかく、脂もしっかり感じられて、とてもジューシー。特製だれはさっぱりしていて、素材の味を十分に楽しめ、満足度は高いです。でも、牛丼チェーンのメニューとして1400円前後の価格というのは、やはり高い。コスパを求める牛丼チェーンの愛好者にとっては、この価格は相当なネックになると思います」(小浦氏)

 松屋の『アンガス牛焼肉定食』と吉野家の『黒毛和牛重』。方向性の異なる2つのメニューについて小浦氏はこう分析する。

「松屋の『アンガス牛焼肉定食』については、使用する牛肉をリニューアルしつつ、これまでの『牛焼肉定食』の魅力はまったく変わっていません。単なる値上げと見られがちですが、味の向上という点での企業努力もしっかり感じられますし、“進化”であると言っていいと思います。

 吉野家の『黒毛和牛重』は期間限定メニューであり、プレミアム感もありますが、この価格では定番化は難しい。同様の方向性の“廉価版”があれば人気の高いメニューになりそうです。

 消費者の趣向が多様化するなか、牛丼チェーンも定番の牛丼とはまたグレードの異なる牛肉を使ったメニューを提供していく方向を模索しているのでしょう。今後、牛丼チェーンにおける“牛肉のグレードの多様化”が進んでいく未来も予想できます」

 松屋の『アンガス牛焼肉定食』や吉野家の『黒毛和牛重』は、牛丼チェーンの変化の入口となるかもしれない。

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