キャリア

年金減額時代は「夫婦で月13万円」で豊かに暮らす家計の知恵が必要

東京は「世界一リスクが高い都市」

 生活費の面だけでなく、都心には様々なリスクもある。都心の不動産価格は、現在バブル状態と言って良いほどの高値圏にある。不動産経済研究所によると、2021年度上半期の新築マンションの平均価格は、首都圏で6702万円と1973年の調査開始以来、上半期としては過去最高となっている。これが長く続くとは考えにくく、近い将来大きく下落する可能性もある。一方、郊外の不動産価格は既に低い水準まで落ちているため、価格が下がったとしても都心に比べて下落幅は小さい。

 また、首都直下地震が発生すれば、不動産価格が一気に下落するのは避けられないだろう。再保険大手の英ロイズと米ケンブリッジ大学が2018年に試算した、紛争や災害などの「脅威リスク」ランキングによると、東京は「世界で一番リスクの高い都市」となっている。

 郊外というと、都心からある程度離れた場所でなければ、削減効果が薄いのではないかと思う人もいるだろう。だが、東京から電車で1~2時間の場所に住まいを移すだけでも大幅なコストカットが可能になる。中古戸建てなら1000万円以下で購入できる場所もあるし、都心に比べれば家賃も物価も3~4割程度安い。そのうえ、買い物する場所など生活インフラは揃っている一方で、田んぼや畑が広がる自然環境で、都会では体験できない豊かさを満喫できるのだ。

 実際、私自身が住まいを埼玉県に移し、月13万円で暮らせるか実践してみたところ、十分可能であることが確認できた。コロナ以前は、仕事の都合上都内のワンルームで寝泊まりし、あまり埼玉の自宅には帰らなかったが、コロナ禍で生活が一変し、埼玉の自宅で過ごすようになってからは大幅な生活費の削減に成功している。

 コロナ禍でリモートワークが日常化したいま、郊外に自宅を構えても、支障なく仕事を続けられる人は増えているはずだ。将来に備えて、今から家計の構造改革を検討してみてはどうだろう。

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