キャリア

公務員から税理士に転身の60代男性が感じた「仕事との向き合い方の変化」

副業を含めて月収は40万~60万円

 現在、新名さんは、税理士とビル経営の他に、公務員としてのキャリアを活かしたハローワークでのアドバイス業務やマンション管理員などの多岐にわたる副業をしている。月収は40万~60万円だ。

「いきなり独立することになったときの不安が忘れられないので、今も税理士として熱心にお客さんを取ろうとするのではなく、他の副業をすることでリスクを分散させながら仕事をしています」

 公務員時代と比べて、仕事への向き合い方にも大きな変化が生まれた。

「私はずっと組織の中で公務員として働いてきて、ある意味、守られてきたと思いますが、一方で、自分のやった仕事が正しく評価されてきたのだろうかという思いもある。独立して個人で仕事をしていると、責任は重いし、辛いこともありますが、やったことに対する成果を感じられる。自分が頑張った報酬なんだなという自覚があって、満足感があるんですよ」

 組織の枠からはずれたことで自由になり、新たな人生が始まった感があるという。

「私は昔から“90歳まで現役だ”と言ってきました。別に誰かに感化されたわけでもなく、そう考えてきた。それを実現する道を今は歩めているなと感じています」

 新名さんは「定年」という区切りを迎えるにあたり、自分の人生を見つめ直し、「起業」という決断に至った。第二の人生で“天職”を見つけられるかどうかは自分の行動次第だ。

※週刊ポスト2022年4月8・15日号

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