リユースという選択でパネルに第二の人生を
回収された太陽光パネルのなかには、まだまだ使えるものもある。「新パネル導入のため、耐久期間を過ぎていないが差し替えで処分」「倉庫に保管していたものの、発電所計画が中止となり行き場をなくした」など理由は様々だが、そのまま捨てるにはもったいない。
そこでパネルのリユース事業へ本格的に乗り出したのが、長野に本社を置くネクストエナジー・アンド・リソースだ。ろくに状態チェックをせず転売するリユース業者も存在するが、ネクストエナジーでは洗浄→機能測定→評価の工程を経てパネルの性能を保証する。
複数のメーカーの太陽光パネルが並ぶ。絶縁状態や出力量のチェックで合格すれば再販、不合格ならリサイクルに回され資源化される
日射量に応じて適切な電圧と電流が出力できる構造のほか、パネル部分の亀裂やゆがみをチェック
感電や漏電火災などを防ぐため、絶縁されていることを確認
リユ―ス用パネルに必要な条件を瞬時に計測し、合否判定を行なうリユースチェッカー(RUC-100)
本社にはメーカー6社のリユース・パネルを組み合わせた発電所を構える
リユースは環境負荷を軽減する得策ながら、まだまだ世間の認知度が低い。誰でも簡単にパネルの状態を検査できるリユースチェッカーを計測器メーカーと共同開発し、全国規模でのリユース普及を目指す。
取材・文/山本真紀
※週刊ポスト2022年6月3日号