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太陽光パネルの「2030年問題」 大量廃棄時代に備えるリサイクルとリユースの現場

リユースという選択でパネルに第二の人生を

 回収された太陽光パネルのなかには、まだまだ使えるものもある。「新パネル導入のため、耐久期間を過ぎていないが差し替えで処分」「倉庫に保管していたものの、発電所計画が中止となり行き場をなくした」など理由は様々だが、そのまま捨てるにはもったいない。

 そこでパネルのリユース事業へ本格的に乗り出したのが、長野に本社を置くネクストエナジー・アンド・リソースだ。ろくに状態チェックをせず転売するリユース業者も存在するが、ネクストエナジーでは洗浄→機能測定→評価の工程を経てパネルの性能を保証する。

複数のメーカーの太陽光パネルが並ぶ。絶縁状態や出力量のチェックで合格すれば再販、不合格ならリサイクルに回され資源化される

複数のメーカーの太陽光パネルが並ぶ。絶縁状態や出力量のチェックで合格すれば再販、不合格ならリサイクルに回され資源化される

日射量に応じて適切な電圧と電流が出力できる構造のほか、パネル部分の亀裂やゆがみをチェック

日射量に応じて適切な電圧と電流が出力できる構造のほか、パネル部分の亀裂やゆがみをチェック

感電や漏電火災などを防ぐため、絶縁されていることを確認

感電や漏電火災などを防ぐため、絶縁されていることを確認

リユ―ス用パネルに必要な条件を瞬時に計測し、合否判定を行なうリユースチェッカー(RUC-100)

リユ―ス用パネルに必要な条件を瞬時に計測し、合否判定を行なうリユースチェッカー(RUC-100)

本社にはメーカー6社のリユース・パネルを組み合わせた発電所を構える

本社にはメーカー6社のリユース・パネルを組み合わせた発電所を構える

 リユースは環境負荷を軽減する得策ながら、まだまだ世間の認知度が低い。誰でも簡単にパネルの状態を検査できるリユースチェッカーを計測器メーカーと共同開発し、全国規模でのリユース普及を目指す。

取材・文/山本真紀

※週刊ポスト2022年6月3日号

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