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我流でやるのはこんなに危険!「間違った糖質制限ダイエット」に医師の警鐘

糖質控えめ食品の定番「オートミール」(イメージ)

糖質控えめ食品の定番「オートミール」(イメージ)

糖質制限を勘違いしている人が多い

「糖質制限は、“正しく行えば”必ず健康的にやせられます」とは、ダイエット外来医師の前川智さんだ。

「糖質オフダイエットのブームにより、“糖質を摂らなければいい”と考える人が増えましたが、それは間違っています。糖質は人体を動かすためのガソリンのようなもの。あふれるほど入れてしまうと余剰分が脂肪になるので、太ってしまいますが、だからといって不要ではありません。適切な量を摂取することが大切です」(前川さん・以下同)

 糖質制限中の場合、1日の摂取量は120g以下が適正値。この女性のように、1日の糖質摂取量を50gまでと極端に減らし、ハードな運動をすれば、けいれんやめまい、しびれなどの低血糖症状を起こすことがある。

「肥満に悩む人は1日の糖質量を400g以上摂っていることが多い。ここから突然活動量を増やしたうえ、糖質量を50gまで減らすのは危険です。まずは、適正値である120g以下に抑えたい。以降はその人の生活に合わせ、医師や管理栄養士の指導のもと、摂取量を調整するのがおすすめです」

 とはいえ、糖質摂取量を120g以下に減らすのも大変。

「たっぷりのおかずをよく噛んで食べれば、それほどつらくはないはずです。最大のポイントは、“断菓子”。糖質制限をしているのに効果が出ない人の多くは、必ずおやつを食べています。クッキーやパンなどは糖質のかたまりですし、焼きいもやふかしたかぼちゃにも意外と糖質は多いんです」

 また酒の糖質も見落としがちだ。日本酒、ワイン、ビール、紹興酒には糖質が多い。飲むなら糖質ゼロの焼酎やウイスキーがおすすめだが、そもそもアルコールには脂肪燃焼を止める働きがある。ダイエット中は大量の飲酒もなるべく控えたい。

「朝と夜はおかずだけを食べ、どうしてもご飯やパンを食べたいときは昼に摂るのがおすすめです。この方法を続けていれば、“やり過ぎ”なくても健康的にやせられます」

(*糖尿病の治療で内服薬やインスリン注射を打っている人が糖質制限を行うと、低血糖症になるリスクがある。重度の肝硬変、活動性膵炎の場合も、糖質制限は行えない。疾患がある人は、医師の診察を受けること)

【プロフィール】
前川智さん/長野松代総合病院ダイエット科部長・消化器内科部長。医学博士、日本肥満学会肥満症専門医。これまでに1200人以上の人のダイエットを成功させてきた。近著に『ダイエット専門医が教える!包んでかんたん 糖質オフのレンチンレシピ』(マイナビ出版)。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2022年8月4日号

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