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Z世代が「思い出作り」にこだわるワケ 写真や動画に記録しSNSで共有する真意

なぜ今の若者は「思い出作り」にこだわるのか?(イメージ)

なぜ今の若者は「思い出作り」にこだわるのか?(イメージ)

“当たり前”の日々でも、後から振り返るとかけがえのない瞬間だったと感じることがある。とりわけコロナ禍で青春時代を過ごしている今のZ世代の若者たちは、思い出を「形」として残したうえで、共有したがる傾向が強いようだ。デバイスが発達し、SNSも普及したからこそ、写真や動画で思い出を残したいと考える、若者たちのリアルな声を追った──。

コロナだけが思い出にならないにならないように

 都内の私立大学に通う男子学生・Aさんは、コロナ禍で行動が制限された分、思い出作りに躍起になっているという。

「今の大学3年生は、入学した年が2020年なので、高校の卒業式も大学の入学式もなかったという人が多い。入学したらオンライン授業でキャンパスに通えなかったし、友だちを作りたくてもサークル活動を制限されました。楽しみだった学園祭だって、まともに開催されたのは大学3年になってから。学生生活の思い出よりも、コロナが思い出化してしまっています」(Aさん)

 だからこそ、Aさんは「思い出」を作りたいと強く感じている。

「誰かとどこかに出かけるということに、特別な思いを抱くようになりました。だから、写真や動画でその様子を残したい気持ちは強いし、その喜びを誰かに見てほしいから、SNSに発信することが増えた。そのために、スマホは常に最新機種のカメラ性能がいいものにしていますし、自撮り棒や三脚も持っています。

 妹は高校の卒業式で、制服のジャケットをみんなで空に投げ、“映える”写真を撮っていましたし、専門学校に進んでも、何かといえば『思い出作り』と言って、みんなで浴衣を着る、お揃いコーデをしてディズニーに行く、というようなことをしていました」(Aさん)

 そんなAさんの母親(40代)は、「私の学生時代なんかは、“結果的に思い出になっていた”という感じで、先に『思い出作り』を宣言はしていなかったような気がします」と振り返る。

「子供たちを見ていると、とにかく『思い出』を作るために、何かを企画するという発想ですね。何気ない夕食の風景が、Tik Tokに投稿されると何だかイベント感が出てきて、振り返ると『この時は息子のリクエストだったな~』などと、私の思い出にもなっているのは確かです。思い出作りが上手なんだな、と思います」(Aさんの母親)

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