住まい・不動産

空き家の実家の庭に「隣家の竹の根」が侵入、除去は誰がすべき? 弁護士が解説

 例えば、枯れた樹木が倒れて他人に損害を与えた場合などでは、賠償を認める根拠になります。そのほか、都心の住宅地で隣地との境界付近の樹木の枝が大きく越境して発生した落ち葉による被害や日照阻害について、定期的な剪定などをしなかったために危険な状態になっていたとして管理の瑕疵を認め、賠償請求を認容した事例があります。

 竹の根は急速に成長します。そこで住宅密集地で隣地境界付近に竹を植えると隣地所有者が対処する間もなく被害を受ける恐れがあります。

 しかし瑕疵の有無は場所や環境等で左右されます。竹やぶや農地も点在するような地域では同じようにいえるか疑問です。根は枝と違い、定期的な剪定作業は通常されないでしょうし、外からわかりにくく管理は難しいことです。さらに枝と違って、越境してきた根はあなたが自分で切除することができます。早めに切り取っていれば大事にならなかったはずで、越境した竹や根の切除に大きな費用がかかるとしても、「それはあなたが適時に根の切除をしなかったためだ」と反論されそうです。

 なお、切除した根は採取者に帰属すると解されているので適宜処分できます。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2023年1月1日号

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