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令和のエンタメでも「上京」が支持されるワケ 世代を超えて共有される高揚感と劣等感

なぜいまも「上京」をめぐる物語に心惹かれるのか(写真はドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』より/TBS提供)

なぜいまも「上京」をめぐる物語に心惹かれるのか(写真はドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』より/TBS提供)

 上野駅に降り立った集団就職、“イタ飯”やマンションでのホームパーティーに憧れたバブル時代、そして令和の現代──時代が変わっても「上京」をテーマにしたドラマや小説は後を絶たない。

「東京、でえれぇ高~! こげん所持金じゃ、なんも買えん。ほいで、『しまむら』がなかっとっと。おい、びっくりしたっさ。それでおい、『ドンキ』入ったさ。ドンキは、宮崎にもあるさね。長距離バスでお金使ってしまったけん。そん中でいちばん安いの買おうとしたとよ」

 東京都心のおしゃれでシックなカフェで、九州・宮崎から上京してきたおてんば娘が、そう恋人にまくし立てる。『ドン・キホーテ』で買ったばかりだという「大東京」と描かれたスエットを着て──。

 これは現在放送中のドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)のワンシーン。広瀬すず(24才)演じるヒロインが、幼なじみの婚約者を追って上京し、音楽での成功を夢見る永瀬廉(24才)と恋に落ちるラブストーリーだ。同作は、脚本家・北川悦吏子が『オレンジデイズ』以来19年ぶりに王道青春ラブストーリーの脚本を手がけ、1話の放送中にツイッターで世界トレンド1位を獲得。

 同作に引けを取らずにSNSで人気を集めているのが宇多田ヒカルの楽曲『First Love』にインスパイアされて作られたNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』だ。

 20年にわたる1組の男女の忘れられない初恋の記憶を辿るこのドラマは北海道や東京、愛知、山口を転々とする主人公たちの物語に合わせ、10都道府県約250か所のロケーションで撮影されたことでも話題を集めた。

「北海道の雪景色もよかったけれど、個人的にぐっと来たのはヒロインが大学進学のために上京して、狭いアパートで『星は全然見えない。空なんて3cmしかない』って遠距離恋愛の相手に電話するシーン。十数年前に進学で東京に来たときの心細い気持ちを思い出しました」(30代女性)

 これらに限らず、いま話題のエンタメに共通するのは、印象的な「上京シーン」だ。

 3月4日から放送開始予定の『自由な女神 バックステージ・イン・ニューヨーク』(東海テレビ)はデザイナーを目指す少女の上京シーンから始まる。

 谷原章介(50才)ら芸能人が多数絶賛した漫画『スキップとローファー』も地方の小さな中学校から、東京の高偏差値高校に首席入学した“田舎の神童女子高生”を主人公にした青春物語だ。

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