ようこりんさんは「トランプ関税ショック」にどう対応したのか(Getty Images)
直近の株式市場はトランプ米大統領に大きく振り回され続けている。4月の相互関税発表で動揺が広がった後に、「90日間停止」で値を戻す展開があったかと思えば、米中対立の先鋭化の懸念も膨らみ、先行きが見通しにくいジェットコースターのような相場展開となっている。そうしたなかで、株式投資で億の資産を築いた“億り人”は、どのようなスタンスで相場と向き合っているのか。その一例を紹介しよう。
専業主婦で個人投資家、そして人気ブロガーでもあり、元手1000万円を1.8億円へと増やした投資キャリアを持つ「ようこりん」さんは、こうした危機で「勝負に出てワクワクを楽しみたい」と話す。
常日頃から「安くなったら大勝負する株」を探しておく
相互関税発表後、株価が大きく下がったのが4月7日だった。日経平均が史上3番目の下げ幅を記録したこの日を、ようこりんさんはどのような気持ちで過ごしたのか。
「7日の朝は、“やっと仕込み時がきた”と、気合いをいれて腕まくり状態でした(笑)。ショック時に掴んだ銘柄が、後で上昇したときの興奮を体で知ってしまっているので、ショックがくると嬉しくなってしまうのです。
皆さんは怖がると思いますが、私は“今が安い”と思ったら、現物と信用どちらも購入します。実際に7日も多くの株を買いました。私がこのようなタイミングで動き出すのは、リーマン・ショック時のつらい経験を乗り越え、資産を増やしてきた経験からです。普段は長期保有のスタンスでゆるゆるとした投資を続けていますが、こういう“○○ショック”といわれる時期は、勝負どころだとスイッチが入ります」(以下、「」内はようこりんさん)
ようこりんさんは2005年から本格的に投資を始め、当初は順調に資産を増やしていたが、2008年のリーマン・ショックで暗転。資産がどんどん目減りして眠れない夜が続いた。そこで思い切って損切りをしたうえで有望な銘柄に集中投資したところ、危機を脱した後に資産を大きく増やすことに成功した。
「当たり前の話ではありますが、やはり株は“安い時に買って高くなったら売る”が鉄則です。普段は、割安(バリュー)銘柄を見つけて、長期で保有し、高くなったら売って、またバリュー銘柄を探して買っています。そういうことを繰り返していくなかで、安くなったら買いたいと思う企業のリサーチを常日頃からしておく。そして、虎視眈々と大勝負に出るチャンスを狙うのが私のやり方です」