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ビジネス

小泉進次郎・農水相が「複雑怪奇」と称したコメ流通の仕組み そもそもなぜコメ価格は高騰したのか、専門家が解説

日本のコメ流通の仕組みはどうなっているのか(小泉進次郎・農水相/時事通信フォト)

日本のコメ流通の仕組みはどうなっているのか(小泉進次郎・農水相/時事通信フォト)

 6月5日、小泉進次郎・農水相は衆院農林水産委員会で「社名は言わないが、ある大手卸の営業利益は対前年比500%くらい」と答弁。コメ高騰の理由が「大手卸」の得た利益にあると受け取れるような発言だった。

「進次郎氏はコメの流通について自身のもとに『極めて複雑怪奇』などの声が寄せられているとし、その状況を『可視化させたい』と意欲を見せました」(政治部記者)

「利益500%発言」を受け、ネット上にはコメの卸業者を批判する書き込みが殺到。“犯人捜し”も進み、上場企業として決算が公表されている大手卸の2社である「ヤマタネ」と「木徳神糧(きとくしんりょう)」が槍玉にあげられて“炎上”する事態となった。

 2社の決算資料を見ると、確かに直近は売上高・営業利益ともに大きく伸びている。ヤマタネは、2025年3月期決算のコメを含む「食品部門」の売上高が前年比145%となる495億8600万円、営業利益は同369%となる23億5100万円だった。

 木徳神糧も2025年12月期第1四半期(1~3月)決算によると、「米穀事業」の売上高は前年同期比127%となる311億6200万円、営業利益が同487%となる19億2900万円。両社とも進次郎氏の言う「営業利益は前年比500%」に近い大幅な増益だ。

 帝国データバンクによると、コメの卸業者は全国に1822社あり、売上規模5億円未満の小規模業者が7割と圧倒的多数を占める。進次郎氏の「利益500%」発言により、その業界全体にまで疑惑の目が向けられつつある状況だ。

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