「6月は株主優待銘柄数が大幅に増えるので楽しい」と話す澤井康生氏
6月の株主優待銘柄は145銘柄に上る。4月は32銘柄、5月は40銘柄と優待銘柄数が少ない月が続いたが、6月は大幅に銘柄数が増え、人気の外食系優待をはじめ、食品、カタログギフト、自社製品などバラエティに富む優待品が揃う。警察官僚から弁護士に転身し、保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」という投資家の澤井康生氏(53)に6月権利確定の株主優待銘柄の傾向と対策を聞いた。
約10年前に株主優待目的の株式投資を始め、“優待弁護士”と呼ばれる澤井氏はこう話す。
「6月の優待銘柄は外食系が多いというイメージですね。6月と12月の年2回、株主優待を実施する企業も多く感じます。2025年6月は株主優待を新設、拡充、再導入する企業もあり、吟味するのも楽しいです」(澤井氏。以下「」内、同じ)
権利付き最終日を前にして株価が下がることも
優待銘柄選びにおいては、自分や家族で使える優待であることが重要なポイントという。
「たとえば外食系銘柄でしたら、自分の生活圏内で優待券を使える店があるかを重視します。ただ、外食系銘柄のなかには、店舗で使える優待食事券のほかに、自社商品などのカタログギフトを優待品として用意しているところもあります。近くに店舗がなくても、その会社の商品や地元のグルメを取り寄せることができる銘柄もあるので、最初から選択肢から外すのではなく、優待内容をチェックするとよいでしょう」
株主優待銘柄の売買のタイミングについては、高値掴みにならないよう気をつけたい。
「6月に限らず、権利付き最終日が近づけば近づくほど優待銘柄の株価が上がる傾向があります。6月は優待銘柄数が比較的多いので人気は分散すると思いますが、優待内容が充実した人気の高い優待銘柄は上昇しやすく、権利付き最終日が直前になると割高になってしまう場合もあります。
ところが、権利付き最終日に向けて上昇していた銘柄が、マイナス材料もないのに権利付き最終日1~3日前に株価が急に下がる場合があり、そのタイミングで買うこともあります。お目当ての優待銘柄の株価が高値圏にあって買うタイミングをつかめなかった場合は、権利付き最終日の1~3日前に株価をチェックしてみるとよいでしょう」