秋場所千秋楽の優勝決定戦。給金の面でも横綱2人の明暗を大きく分けた
10月15日から英国・ロンドンの劇場ロイヤル・アルバート・ホールにおいて、幕内力士が参加する大相撲「ロンドン公演」の取組が5日間にわたって開催される。秋場所同様、大の里と豊昇龍の2横綱が最終日まで優勝争いをする展開になりそうだ。
秋場所は11日目まで全勝の豊昇龍が引っ張り、1敗の大の里が追走。豊昇龍が12日目と13日目に連敗し、逆に大の里を1差で追うかたちになった。千秋楽は本割の土俵を豊昇龍が制して、16年ぶりの横綱同士による優勝決定戦となり、決定戦を寄り倒しで勝った大の里が横綱昇進後の初優勝を果たした。
優勝した大の里は幕内最高優勝の賞金1000万円を獲得し、場所ごとに支払われる褒賞金の基準となる持ち給金は幕内優勝の30円と13勝2敗という11の勝ち越しによる5.5円(勝ち越し1つにつき0.5円アップ)を合わせた35.5円のプラスとなった。4000倍した金額が褒賞金として次の九州場所から加算される。
優勝決定戦で敗れた豊昇龍は、この優勝賞金1000万円と持ち給金の30円プラスが手のひらからこぼれ落ちたことになる。特に引退まで積み上がっていく持ち給金は大きい。十両以上の関取には引退まで支払われるため、1度の幕内優勝で30円の4000倍した12万円が引退まで年6回支給される。25歳の大の里が30歳まで横綱を務めたとすれば、360万円の増額となり、豊昇龍はこれを逃したことになる。