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キャリア

《佐藤優氏が辿り着いた「日本人の定年後生活」の極意》読書こそ最高の趣味、「妻との関係」を再構築するなら「秘密基地」を確保することも有益

昼間は“秘密基地”で読書や趣味などに没頭するのが理想の定年後か(写真:イメージマート)

昼間は“秘密基地”で読書や趣味などに没頭するのが理想の定年後か(写真:イメージマート)

 元外務省職員として、ロシアをはじめ世界各国のインテリジェンスや国際情勢を分析してきた佐藤優氏(65)が新たにテーマとして選んだのは、「老後の幸福論」だった。このたび『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』(飛鳥新社)を上梓した佐藤氏が、リタイア後の生活を充実させる極意について説いた。

各地に図書館がある環境のありがたみ

 定年後の生活を充実させるうえで欠かせないのが趣味の時間だ。

 これは圧倒的に読書を勧めたい。ネットに真偽不明の情報が溢れるなか、読書では確かな情報を得ることができ、なおかつ古今東西の人々の生き方や考え方を追体験することで、定年後の世界が広くなり、人生がより豊かになる。

 特に推奨したいのが古文や漢文の読み直しだ。自国の古典には先人の知恵が詰まっており、日本人としてのあり方やルーツを再確認するためにも、古典を学び直すことには大きな価値がある。

 東京財団の主席研究員で、中国・南京出身の柯隆(かりゅう)氏の論考で、若い頃に通い詰めた地元の図書館が里帰りした際に消えてなくなっていたエピソードを読んだことがある。中国の人々は図書館や読書にそれほどの価値を感じていないのだという。

 加えて、中国共産党は戦後に漢字の簡略化を進めた。これは民衆が過去の文献を読めないようにして、共産党にとって都合のよい「歴史」を作るための策略だった。

 こうした事態は日本にとっても他人事ではなく、戦後のアメリカによる教育制度改革の影響で古文や漢文を学ぶ授業時間が大幅に減り、かつての日本人が有していた教養が失われつつある。

 だが、日本は各地に図書館があり、最近は古本の値段が下がって古典全集などが安く手に入る。この環境のありがたみを噛みしめるべきだ。

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