5年で1億円を貯め、現在は資産3億円を超えるという個人投資家のkenmo氏。小型株投資を得意とし、着実に資産を築き上げてきたが、乱高下が続く昨今の相場は「難しい相場」だとみる。そのなかで、自身も実践してきたというのが、株主優待に対する投資家の需要を逆手に取る「優待先回り投資(優待需給投資)」だ。kenmo氏が先回り投資を実践するうえで、注目する具体的な銘柄について明かしてくれた。
そもそも株主優待をもらうためには、権利確定日の2営業日前の「権利付き最終日」に株を保有していることが必要だ。優待が人気の銘柄は、この日に向けて買う人が増えるため、株価が上昇する傾向が見られる。
それを逆手に取って、株価が上昇する前に先回りして買い、権利を得る前の高値で売って儲けようとするのが「先回り投資術」だ。この投資法は、株の流動性が低いほど機能しやすい手法であるため、小型株のなかで銘柄を吟味するほうがいいという。なぜか。
「時価総額が高い銘柄は、(巨額な資金を運用する)機関投資家の売買の影響を受けやすくなるからです。なるべく個人投資家しか触っていない、流動性の低い銘柄を選ぶほうがいい。流動性が低い銘柄なら、15~20%ほどの値幅が取れる傾向にあります。
ただし、過去の例を見れば大型株でもこの投資手法が機能する銘柄があります。そうした銘柄は、仮に業績伸び率が悪くとも安定している企業であるため、株を保有し続けられる安心感があります。優待が自分にとって魅力的であれば、保有し続けて優待をもらうという方向に舵を切るのもひとつの手です」(以下、「」内のコメントはkenmo氏)
実際にkenmo氏が注目してきた銘柄はどういうものなのだろうか。大型株だが、過去に先回り投資に適したチャートの動きがみられた銘柄を3つ挙げてもらった。kenmo氏は「現在では少し機能しづらくなっているものの、これらを参考にして同じような動きをしている銘柄を探してみてほしい」と言う。