「駒沢大学」駅前の駒沢パーククォーター
多くの高級住宅街を抱えるイメージが強い東京都の世田谷区。しかし、2040年頃には東京都も人口減少に転じると見られるなか、今後は同じ区内でも駅ごとに“明暗”が分かれる可能性がある。不動産データをAIで分析するリーウェイズ社の「10年後の人口増減予測」に基づき作成した世田谷区の“これから発展する駅”ランキングをもとに注目エリアを紹介する。
2035年までの人口増減を予測
「三軒茶屋」「二子玉川」「駒沢大学」「下北沢」「成城学園前」といった、若者人気の高さや高級住宅街が広がることで知られる駅が世田谷区内には多数があるが、人口増減予測のランキング結果は意外なものとなった。
今回、マネーポストWEBは不動産データをAIで分析するリーウェイズ社が算出した「駅ごとの10年後の人口増減予測」を基に、10年後の人口増数が多い順に駅別ランキングを作成した。5億件超の物件データをもとに不動産市場をAIで分析するリーウェイズ社は、国土技術政策総合研究所の「将来人口・世帯予測ツール」(2024年公表)を活用。2025年から2035年までの人口増減を予測している。
その結果について、不動産コンサルタントの株式会社さくら事務所代表取締役社長・山本直彌氏は「不動産の価値を決定づける重要な要素は“人口”であり、その増減は“需要の増減”を意味します。将来の人口予測をもとに分析したランキングは、極めて重要な指標です」と指摘する(以下「」のコメントは山本氏)。
世田谷区は東京23区で唯一、JRと東京メトロ両方の駅がない区として知られる(東急線や小田急線などからの直通運転はある)。東急、小田急、京王といった私鉄各線の沿線に広がる世田谷区の住宅事情について、山本氏はこう指摘する。
「世田谷区全体を俯瞰すると、街としてのブランドが確固たる地位を築き上げている東急線沿線の人気が高く、なかでも都心に近い駅のほうが人気でした。しかし、その強固なブランド力ゆえに、東急線沿線の不動産価格は区内でも高騰を続けており、最近は人口流入の傾向に変化が生じています」
東急田園都市沿線の価格は「手が届かない水準」に
世田谷区内の駅で最も発展するとの結果となったのが、東急田園都市線で渋谷から1駅の「池尻大橋」(2635人増)だった。人気の沿線で都心に最も近い駅としては順当な結果だが、注目は2位と3位に小田急線の「千歳船橋」(2187人増)、「祖師ヶ谷大蔵」(1667人増)がそれぞれ入ったことだ。山本氏はこれを、世田谷区内で三軒茶屋や二子玉川など東急線沿線の不動産価格が高騰した結果だと分析する。
