何が問題?(イラスト/大野文彰)
消費者やサービス利用者によるカスタマー・ハラスメント(カスハラ)が、社会問題となっている昨今。何らかのトラブルを回避するためにも、ハラスメントとなりうる事象については、証拠を残しておくことが重要だ。たとえば、クレーマーから電話がかかってきた際、その通話内容を録音することもあるだろう。その場合、事前に録音する旨を通告する必要はあるのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
会社の受電部署で働いています。電話応対中に顧客と揉めたため、「通話の録音を確認する」と言ったところ、顧客から「事前に録音するというアナウンスがなかったから違法だ」と言われました。クレーマー対策で通話録音する旨の案内を事前に流している企業は多いですが、アナウンスをしなかった場合、違法になるのでしょうか。(東京都・58才女性・会社員)
【回答】
まず拘禁刑や罰金などで処罰されるという意味では、通話の録音だけで違法になることはありません。そもそも、録音を処罰する法律自体ありません。ただし、処罰されなくても制約を受けることはあります。
例えば、施設の管理者が施設内で録音を禁止している場合には、違反すると施設の管理規定などに従って、退場などの制裁を受けることがあります。こうした規制がなければ録音することが違法になったり、何らかの制裁を受けたりすることはありません。
しかし、録音データの扱いによっては問題になるケースもあり得ます。例えば、録音データの扱いがずさんで、外部に会話内容が知られたような場合です。その会話が知られたくない事柄に関するものであったときは、プライバシーの侵害として不法行為になる可能性があります。
