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金融市場を攻略した2人の「天才投資家」が勧める“意外な投資先”

“投資の神様”バフェットは妻に宛てた遺言書で、資産運用に関するアドバイスを行っている(Getty Images)

“投資の神様”バフェットは妻に宛てた遺言書で、資産運用に関するアドバイスを行っている(Getty Images)

 世界で経済格差が加速する一方で、コロナ禍の株高を背景に富裕層の資産が増加し、世界中で多くの富裕層が生まれているという。金融資産に投資していた者がより富を増しているわけだが、それではどのような投資先が「正解」なのだろうか。新刊『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』(講談社現代新書)が話題の作家・橘玲氏は、「金融市場を攻略した天才投資家たちのアドバイスを参考にすべき」と語る。どんなアドバイスなのか、橘氏に聞いた。

――橘さんは最新刊で、金融市場を“ハック”して大成功を収めた天才たちを紹介しています。

橘:「20世紀でもっとも成功した投資家」といえば、ともに1930年生まれで「投資の神様」と称されるウォーレン・バフェットと、「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれたジョージ・ソロスの名前が思い浮かぶのではないでしょうか。実は、この2人と並ぶもう一人の天才がいます。1932年生まれの数学者エドワード・ソープで、ブラックジャックの必勝法を編み出してラスベガスを“ハック”したあと、金融市場ではワラントの価格の歪みから無リスクで儲ける手法を確立してウォール街も“ハック”しました。まさに20世紀最強の「ハッカー」です。

 バフェット、ソロス、ソープの投資手法は三者三様ですが、全員に共通するのが、第二次世界大戦後の世界的な高度経済成長期が始まった1950年代に投資の世界に入ったという幸運です。

――そんな幸運がないわたしたちは、どうすれば金融市場の恩恵を享受できるでしょうか。

橘:最強のハッカーであるソープは、個人投資家へのアドバイスとして自伝でこう述べています。

「非課税口座で投資している人や財団などは、株式に投資するならアクティブ運用からノーロード(販売手数料なし)で幅広く投資を行うインデックスファンドに乗り換えたほうがいいかもしれない。(中略)私の経験では、優れた銘柄選択能力なんてそうそうあるものではない。ということは、だいたいみんな、インデックスファンドにしといたほうがいいということだ」(エドワード・ソープ『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』より)

 天才投資家が基本中の基本ともいえるインデックスファンドを勧めるのは意外に思うかもしれませんが、“投資の神様”バフェットも、妻に宛てた遺言書に「資産の10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500インデックスファンドに回す」よう記したことを公開しています。

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