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現役世代が「年金は65歳からもらえる」と思い込むのは危険 受給開始年齢引き上げの歴史から見えてくる“将来像”

70歳開始になってもおかしくない

 現役世代にとって気になるのは「将来どうなるのか」だと思います。歴史を振り返ってみると「55歳」→「60歳」→「65歳」と引き上げられてきたわけで、将来はさらに引き上げられると見るのが自然でしょう。

 他の国ではどうなっているのでしょうか。すでにアメリカ、ドイツでは「67歳」、イギリスは「68歳」です。どの国も少子高齢化は避けては通れず、受給開始年齢の引き上げが行なわれているというのが現状です。

 第一次ベビーブームがあった昭和22~25年(1947~1950年)の出生数は250万人を超えていましたが、昨年の出生数は77万747人と、ピーク時の3分の1以下に落ち込んでいます。年金は世代間扶養の制度です。現役世代の保険料でリタイア世代の年金が賄われているわけで、このまま少子高齢化が続くと、現在の「65歳」が維持できるのかは非常に疑問です。将来的には「70歳」受給開始となってもおかしくはありません。

 厚生年金は20歳から65歳まで45年間も保険料を納める、約半世紀にも及ぶ制度です。しかし、この半世紀で何度も制度改正が行なわれてしまっているのが現実です。特に若い世代にとっては、「65歳からもらえる」と思っているとすれば、少し甘いと言わざるを得ません。65歳以降も働くために、どのように自分の市場価値を高めていくのかを今から考えておくことをお勧めします。

【プロフィール】
北村庄吾(きたむら・しょうご)/1961年生まれ、熊本県出身。中央大学卒業。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。ブレイン社会保険労務士法人 代表社員。YouTube「週刊人事労務チャンネル」で暮らしの役立つお金の知識を配信中。本記事に関する詳しい動画解説はhttps://youtu.be/_DBFyYwQPPsで配信中。

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