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【日本人の漬物離れ】20年で消費量4割減少 「食べなくなった」「作らなくなった」という人たちの本音

ぬか床の管理には手間がかかる

ぬか床の管理には手間がかかる

時間と気持ちに余裕がないと作らない

 Aさんは「元々漬物って、“家でおばあちゃんが作っていた”とかいう話をよく聞きますが、僕の周囲で作っている家はないんですよね」というが、実際に、「以前は作っていたけど、最近はもう作らなくなった」という家庭も増えているようだ。70代の主婦・Bさん(神奈川県在住)が言う。

「私はぬか漬けが大好き。子供たちがまだ小さい時代、ぬか漬けを作っていた時期もありましたが、温度管理など手間がかかります。子供がすぐにお腹いっぱいになるメニューを優先していると、とてもぬか床の管理まで手が回らなくなりました。

 コロナ禍で、久しぶりにぬか床を買ってみましたが、食べられるまでに時間がかかるのが面倒に感じ、また次第に世話もしなくなってしまい……。時間と気持ちに余裕がある時じゃないと、漬物はなかなか作らないですよね」

 Bさんは、「商店街でも、手作りの漬物を提供する個人商店が減りましたね」と続ける。

「自分で作らなくても、昔は、地元の商店街で、大きな樽に入ったぬか漬けを、『人参150円、キャベツ200円』みたいな感じで売っていた八百屋さんがあったものです。最近はそういったお店を見かけなくなりましたよね。個人商店で作った手作りの漬物を売ってくれたら、私は積極的に買いに行くのですが」(Bさん)

わざわざ保存食を作る意味はなくなった?

 漬物が身近にあった人も、遠ざかっている。金融機関に勤務する40代女性・Cさん(都内在住)が、自身の子供時代を振り返る。

「母がぬか漬けや浅漬けを作る人で、父親は出張先のおみやげとして、しょっちゅう各地の漬物を買ってくるような家庭でした。夕食には必ず漬物の入った皿が置かれていました」

 漬物に慣れ親しみがあるCさんだが、一人暮らしを始めてから次第に食べなくなり、結婚してからもそれは変わらない。

「嫌いでもないし、食べられないというわけでもありません。単純に、漬物を作るぐらいなら野菜スティックでいいと思ってしまうタイプの人間なんですよね……。東北の寒い地域で保存食として作る、みたいな理由があればまた別ですが、都内では新鮮な野菜も惣菜も年がら年中手に入るし、保存食を作る意味はあまりない。

 ごはんのお供としてもふりかけや納豆、明太子なんかは“あり”だけど、漬物は選択肢に入らないです」(Cさん)

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