吉田みく「誰にだって言い分があります」

職場の忘年会で“参加者の要望”をまとめる幹事の苦労 「コース料理+飲み放題が会計は楽だけど…」悩んだ結果のプラン変更で思わぬ事態に

幹事は気を使いすぎると「正解」がわからなくなりがち(イメージ)

幹事は気を使いすぎると「正解」がわからなくなりがち(イメージ)

既婚者と独身で割れた「意見」

 よかれと思って提案したものの、参加者たちから「コース料理+飲み放題のほうが料金がわかりやすいから助かる」「参加者に酒豪がいるからお会計が心配。飲まない人と支払いを分けてほしい」と言われてしまったそうだ。

「正直、私も会費が最初から明確化されているほうが楽だと思っています。人によってお会計を分けるのは後でトラブルになりそうなので避けたいところ。それならコース料理と飲み放題のセットにしようと思い直し、プランを変更したら参加者が4人くらい減ってしまって……」

 途中で不参加を表明した4人は独身男性。「独身で自由になるお金が多い分、忘年会では会費を安く済ませるよりも、アラカルト注文で好きな料理と好みのお酒を楽しみたかったのかもしれません」と推測していた。

「私も独身なので彼らの気持ちは十分にわかります。最終的に参加者は6名、しかも私以外は全員既婚者で、お子さんがいる人も。会話についていけるか心配です……。よかれと思って忘年会を取りまとめましたが、今でも何が正解だったのかわかりません」

 今回の件をきっかけに、「幹事恐怖症になった」と話すケンイチさん。現在は会費をいくらに抑えるかで様々な意見が飛び交っており、どの案を採用するかで頭を抱えていた。

 忘年会の楽しみ方や予算について参加者の意見が分かれるのは仕方のない面もある。ケンイチさんの部署のように少人数の忘年会の場合では、参加者それぞれの主張が大きくなり、収拾がつかなくなることもあるだろう。とはいえ、幹事に負担をかけないためにも、参加者は意見を言うだけではなく、まとめる方向にアシストしてほしいところだ。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

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