手軽に自己肯定感や承認欲求を高められる
メーカー勤務の40代男性・タケシさん(仮名)は、もともとは飲み歩きが好きだったが、現在はラーメン店めぐりが一番の趣味だという。
「飲み歩きはコストがかかるのでやめました。そこでラーメンが趣味として浮上したんです。他の趣味に比べると、ラーメン店めぐりは一人で完結できるし、おじさんの趣味としても違和感がありません。しかも、時間もお金もあまりかからず、食欲も満たすことができます。店それぞれに特徴があるので、『俺はこの店が~』『あの店の店主は~』などと、手軽にこだわりを語れるのもいいですね」
タケシさんは、「週末に家族とラーメンを食べに行くのも好き」だというが、「出張でご当地ラーメンを食べるのも楽しみ」と話す。
「出張先で食べたラーメンはSNSにアップするネタとしてもぴったり。ご当地ラーメンだと、うらやましがられるうえに、いいね、コメントもつきやすいです。買い物や子供の写真などプラベートなネタは他人にどう捉えられるかわからないですが、ラーメンについては批判めいた事さえ書かなければ、炎上リスクも少ないですしね」(タケシさん)
推し活のアクスタやぬいぐるみと一緒に投稿
“推しキャラ”とラーメンめぐるようになった人もいる。建設会社勤務の30代・コウイチさん(仮名)は、SNSの推し活用アカウントからの投稿で、ラーメンを撮影した画像を投稿することが多くなったという。
「一人でもラーメン店に出かけると、充実した休日を味わった感覚になる。推し活用アカウントでは、基本的には推しが登場するゲームのことしかつぶやきませんでしたが、ある時、推し活イベント帰りに一人でラーメンを食べに行ったときの画像を投稿すると、それが新鮮だったのか、結構反応をもらえました。『おいしそう』『そこおいしいですよね』『どこですか?』などと、フォロワーからコメントもついて、なんか嬉しかったんですよね」
コウイチさんは、「ラーメン店に行って帰ってきただけなのに得られるリターンが多いことに驚きました」と言う。
「最近はラーメンだけでなく、アクスタ(アクリルスタンド)や小さなぬいぐるみと一緒に撮影して投稿しています。フォロワーの間で、一緒にラーメンを食べに行こうという話も出ています。ラーメン店めぐりのおかげでリアルな仲間ができそうです」(コウイチさん)
ラーメン店めぐりにはさまざまな楽しみ方があるだろうが、優秀なコミュニケーションツールという側面もあるのかもしれない。くれぐれも体調面には気をつけて楽しんでほしい。